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視覚教材の豊かな環境

きこえない子が学ぶ聾学校の教室や家庭では、スペースの都合もあるでしょうが、できるだけきこえない子に配慮した「可視化した教材・掲示」が必要だなと思います。

 

こうした掲示物をみると、そこでどんな活動が日々行われているのかイメージできるものです。今日は、ある聾学校の幼稚部年長組の教室とあるお子さんの家庭を参考に、どのようなものがそこに掲示されているのかみてみたいと思います。

教室正面.JPG

まずは教室正面の黒板。この写真は1月頃のものなので、円形の十二支の表があります。干支の話題で話題が盛り上がったことがわかります。正月の飾りの絵、鏡餅の模型、獅子舞の絵、絵本などが置かれています。餅つきのためにクラスでお米屋さんに行き、もち米を買ってきたことも板書からわかります。幼児にとって時間の認識は、時間が目に見えないこともあって意外と難しいので、こうした機会に話題にしていくことはとても大事です。 教室壁面(窓側).JPG

黒板の左側は、最近使った名詞や動詞が色分けしたカードになって貼られています。

教室の窓側をみると、針金を通して、これまでに使ったことばを概念カテゴリーごとに分けて色画用紙に貼ってつるしてあります。「野菜」「果物」「海の生き物」なかには「日本のおばけ」まで。ことばは単独にバラバラに存在しているのではなく、このようなカテゴリーをもっています。そのような構造が視覚的にわかるようにしてあるわけです。また、下のほうには、助数詞の一覧表も貼ってあります。日本語には「枚、匹、冊、頭、台、個・・」など無数に数え方のことばがあって、しかも、「ぴき、びき、ひき」と言い方もまちまち。きこえない子にとって苦手なところです。

  教室壁面.JPG

廊下側の壁面はどうでしょう。

前のほうには、ホワイトボードにはり付けた1月のカレンダー。書き込み式になっており、週には「先週、今週、来週」などのことばと変わり方がわかるように色分けした移動式帯テープが貼ってあります。「おととい、昨日、今日、明日・・」なども同様です。

壁には、この3年間の学校での活動がすべてわかるように、行事などのときに撮った写真が月別に貼ってあります。例えば、「年少のときの9月の誕生会はどんなことをした?」「年中のときの運動会のダンスは?」など、過去の思い出をたどると同時にこの3年間の成長ぶりもわかるようになっています。そして、本棚、赤ちゃんを入れておくベッドまで。弟妹を連れてきたお母さんのためには保護者控室はもちろん、教室内にベッドも用意されています。  

きこえない子にとって、視覚的にわかる、ということはとても大事なことです。やったこと、話したことが目で見て確認できることは、ことばや知識の定着に役立ちます。

このくらいの教室環境は準備したいものですし、それぞれのお子さんの家でも、スペースの問題はあるでしょうが、できるだけ視覚に配慮した掲示(例えば書き込み式の月カレンダーとか連絡版とか)があるとよいと思います。 自宅掲示板.jpg

 

 4枚目と5枚目の写真は、ある家庭の壁に貼られたさまざまな掲示です。一緒に遊んだあと貼ったのでしょう。カラフルで見ているだけで楽しめます。壁だけでは足りず、ついに襖には季節のポスターが! もしかして、トイレやお風呂、天井にも貼ってあるのかな?

 

季節ポスター.JPG