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教科書を品詞分解してみよう!~品詞カードを使って

教科書の文章を、「品詞カード」を使って品詞分解することができます。そうすることによって、文の構造を視覚的に把握できます。ここでは、「国語」小1上(学校図書)の最初に出てくる物語文を使って品詞分解をしてみたいと思います。以下が教科書の文です。

 

         いいもの みつけた(題) 

もりの なかに、いえが あります。 りすの おやこが います。

わたし、たねを みつけたの。 ぼく、どんぐりを ひろったよ。

いい ものを みつけたわね。 かあさんりすが いいました。

ふたりは、たねと どんぐりを、つちの なかに うめました。

あたたかく なると にわに、ちいさな めと おおきな めが でました。

みんなは、うれしそうに、 みどりの めを みました。

 

1.タイトル「いいもの みつけた」

この単元は全体が会話調になっているので、助詞がしばしば省略されています。タイトルからして、すでに「を」が省略されています。また、「いいもの」は一括りで名詞として表示してもよいと思いますが、ここでは、「いい」(形容詞)+「もの」(名詞)とに分け、さらに一括り(名詞句)にしました。形容詞とか動詞は名詞を修飾するときにも使われ、小1下あたりから複文構造になって沢山出てくるので、それに慣れる必要があるので、そのように表示してみました。また、このくくり方は、この単元では、ほかに「ちいさなめ」「大きなめ」でも使われています。 文法指導.jpg

 

2.次に、助詞「の」ですが、これは、前の名詞と後ろの名詞を繋いでいろいろな関係をあらわします。これは「名詞」+の+「名詞」として分けて、さらに大きな括りにしました。この単元では、「もりのなか」「りすのおやこ」「つちのなか」「みどりのめ」などがあります。

 

3.文章全体を品詞分解してみるとわかるように、まだ複雑な文型は使われていませんし、それぞれの文末は全て動詞です。途中1カ所だけ形容詞につながって「あたたかくなる」+「と」という箇所 文法指導_0001.jpgがありますが、この「と」は、接続助詞「と」で、その前の「あたたかくなる」という時間的変化の結果として、「にわに ・・・が出ました」に繋がっています。読み方としては、この「と」のところで一呼吸入れるとよいと思います。

 

4.「ちいさなめ」「と」「おおきなめ」の「と」は格助詞の「と」で、二つの芽を並列に繋ぐ「と」です(「東京と大阪で開かれる」などの使い方と同じ)。上記3の「と」とは意味が違います。江副文法では「情報内の助詞」と言います。

 

5.「ふたり」「みんな」は時数詞(江副文法)といい 文法指導_0003.jpg、ピンクで表示しています。時間や数量をあらわす名詞です。「みんな、うれしそうに」のように、「みんな」のあとの助詞を省略する使い方ができます。

 

6.「うれしそうに」の「~そう」は、「高そう」「嬉しそう」「苦しそう」など形容詞に「そう」がついて、そのあとに「~そうな」「~そうに」「~そうで」となって形容動詞的な使い方が可能です。これを江副文法では「なにで名詞構成語」といって、はたらきはなにで名詞と同じです。

 

7.動詞では、「いえが あります」と「りすのおやこが います」の、「あります」「います」の使い方に、指導が必要でしょう。物(無生物)は、「あります」ですし、人や動物(生物)には「います」を使います。これは例文を作って指導するとよいと思います。

 

8.動詞で難しいのは、「みつける」(他動詞)と「みつかる」(自動詞)の違い。「みつける」は、「わたし(が) たねを みつけた」「(あなたが) いいものを みつけた」などのように「だれが」「なにを」が必要な動詞ですが、「みつかる」は、「わたしがみつかる」「さいふがみつかる」などのように、「なにを」を必要としません。

また、「うめる」(他動詞)と「うまる」(自動詞)も同様です。また、「うめる」には「お湯を水でうめる」などの別の意味もあるので、この際、指導しておくこともできます。

 

9.その他として、「ひろう」の反対の「すてる」。「ある」の反対語「ない」、「いる」の反対語「いない」なども、この機会に指導できるでしょう。ことばを増やすためにはこのような機会を逃さないことです。

 

10.最後に、構文ですが、冒頭の文は、「もりのなかに いえが あります」と、通常の文とは逆の語順になっています。物語の冒頭は、「昔、ある所に、おじいさんと・・・」などのように時間→場所→何・だれの順になることが多いですが、この単元でも、場所→何の順に場面の設定をしています。

 

このように、一見、簡単な文章のようにみえますが、文法的に注意が必要なことは沢山あります。これを全部指導する必要はありませんが、知っておきつつ、今、この単元で何をどう指導するかが大事なのだと思いますし、日本語を指導する上では、このくらいの文法的知識をもっておく必要があります。 教科書品詞分解例.jpg

最後に、ここでは教科書の上でそのまま品詞分解してみましたが、「情報」「助詞」「述部」の構造図の中で、横書きにして、ひとつひとつの文を模造紙等に書き出すほうがずっとわかりやすいことは言うまでもありません。(右図例参照)