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新生児聴覚スクリーニング検査

 この検査は、赤ちゃんが生後2日目頃から退院までに行う検査で、眠っている赤ちゃんに40デシベル前後のささやき声程度の音をきかせ、、その反応を調べる検査です。検査にかかる時間は数分から10分程度で、結果をコンピュータが判断して「パス(反応あり)」または「リファー(要再検査)」で表示します。 新スク.jpg

 現在は大きく分けて2種類の検査機器が使用されています。一つは自動OAE(耳音響反射)といって、赤ちゃんにイヤホンから小さな音を聞かせ、耳の中から反射してくる音を測定します。機器の性質上、耳垢や羊水の影響で自動ABRに比べてリファーが出やすい傾向があります。

もう一つは自動ABRといって、赤ちゃんにヘッドホンから音を聞かせ、その反応を脳波で調べるタイプの機器です。

こうした機器で複数回測定し、結果的に「リファー(要再検査)」となった場合、耳鼻科医での診察・精密検査を受けることになります。

しかし、未だ聴覚障害が「確定」ではないとは言え、保護者が受けるショックは大きい。ある保護者の方は次のように語っておられます。

 

「わが手に抱いた赤ちゃんの耳が聞こえていないかもしれないと言われた時、深い不安と混乱の中に突き落とされた。子どもにどう接したらいいのか、ガラガラを振ってみても子守唄を歌ってみても、この子には届いていないのかもしれないという疑心暗鬼に襲われた。赤ちゃんに何よりも大切な、母親の明るい笑顔を、私は与えられなかった・・」

 

ところが、こんなに早く発見してもすぐに教育が始められるわけではなく、音への反応が確かになってくる生後3~4か月頃でのABR(聴性脳幹反応検査)やその他の聴力検査をするまでは正確にはわからないのです。ということは、それまでの間は、保護者は不安と焦燥の中に置かれ心の平安を得ることのない日々が続くことになります。

では、いったい、なんのための検査なのか、「3~4か月くらいまでせいかくにはわからないのだったら、そのときに調べればよいのではないか?」 その通りです。本来は3~4か月に検査をすればよいのですが、ご存知のようみ、3~4か月頃の赤ちゃんは目覚めている時間が長くなり、手足を活発に動かすことも多くなるために、なかなかこのような睡眠状態での検査ができず、また、きこえの検査を受けるためにわざわざ病院に行くのも大変なことです。そこで実施されるようになったのが、生まれた赤ちゃんがまだ入院中で、自然に眠っている新生児期にできる検査でした。

 

しかし、「リファー」を告げられたお母さんや家族の方には必要以上に不安や心配を与えることになってしまったのも事実です。聴覚障害があるのかないのかもわからないのに、「リファー」と言われたおかげで「聞こえていなかったらどうしよう?」「聞こえなかったらどう育てていけばいいのだろう?」「聞こえないということから逃れる方法はないのだろうか?」と、先々のことが心配になるのは当然のことと言えましょう。長い妊娠期間を終え、やっと待望の赤ちゃんを胸に抱いたばかりの時期、わが家に初めて赤ちゃんを迎え入れ、これから新しい家族として一歩を踏み出すスタートの時に、大きな不安が目の前にぶら下がっていることは本当につらいことだと思います。

 

リファー.jpgでは、きちんとした診断がつくまでに時間がかかるとしたら、いったいこの時期をどう過ごせばよいのでしょうか? きこえてもきこえていなくても、この時期、大切にすべきことはどんなことでしょうか? そんな悩みについて、相談にのってくれるところはあるのでしょうか? 早期発見を意義あるものにするためにはそのようなサポート体制の整備が不可欠です。現在、我が国のサポート体制はまだまだ十分とは言えませんが、各都道府県に必ず1校以上はある聾学校の乳幼児教育相談がその相談にのってくれると思います。

また、右に紹介した冊子「『リファー(要再検査)』となったお子さんのお母さんと家族の方へ」(全国早期支援研究協議会発行,300)は、お母さん方の不安や疑問に優しくそして的確に応えてくれる一冊だと思います。

 

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