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だれでもわかる日本語の読み書き~第21回・助詞「に」はどんな時に使うの?

☆助詞と動詞の組み合わせを知ろう~日本語にも基本文型がある

動詞の中には、「~が+動詞」(例;雨が降る)「~が~を+動詞」(例;「ママがケーキを作った」)のかたちで使う動詞があることを学びました。今回は「~が~に+動詞」のかたちで助詞「に」を使う動詞について学びます。聴者は「ぼくは ケーキを・・」という文を見た時(きいた時)、「その次は『食べる』という語が来るのでは?」と頭の中で予想することが多いと思います。それは「食べる」という動詞には「~を」(目的語・対象)という言葉が来るという文のパターン(文型)を知っており、「ケーキを・・」ということばをきいたときには、「食べる」ということばが続くのでは?と予想することが多いからです。

 もちろん、「台所で、ぼくは ケーキを・・」という、冒頭に「台所で」という文言がある文であれば、それらの語のならびから「『作った』のかな?」という予想をたてたりもできます。同じように、「ぼくは 学校に・・」であれば「『行く』がくるのかな?」とか「ぼくは 家に・・」であれば「『帰る』がくるのかな?」と予想をしたりします。このように、私たち大人は、どのような動詞がどのような助詞をとるのかということを知識として、文型として自然に身につけているわけで、そうした文型を無意識のうちに使って文を理解しています。

 しかし、きこえない子は、このような言語知識が十分に身についていないので、まだ動詞をみただけで(きいただけで)このような予想ができません。そこで、このYouTube日本語講座では、これまでに①助詞「が」のみを使う動詞、②助詞「が」と「を」を使う動詞について学びましたが、今回はその続きで③助詞「が」と「に」を使う動詞について学びます。


☆助詞「に」を使う動詞はどんな動詞? 

 さて、助詞「に」を使う動詞にはどんな動画あるのでしょうか?いくつかあげてみます。

助詞「に」の用法.jpg

あたる、あやまる、ある、行く、いる、帰る、隠れる、かみつく、来る、賛成する、住む、座る、付く、着く、勤める、泊まる、乗る、入る、向かう・・・などいろいろあります。

これらの「に」をとる動詞を意味・用法で分類するとどうなるのでしょう? ここでは、右の「に」の4つの使い方から、時間(時点・ポイント)の使い方を除く3つの用法についてとりあげます。


以下、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

第21回「助詞「に」はどんな時に使うの?」(20分・字幕付)

https://youtu.be/pnQrlrxwg5s

また、今回のYouTube動画の無料テキスト・問題は、以下のURLからダウンロードできます。

 21.助詞「に」はどんな時に使うの?(テキスト2・問題2).pdf


〇学習内容~助詞「に」の3つの用法

助詞「に」はどんな時に使うの?.jpg

   まず、以下の4つの例文について、どんな情報が不足しているのか考えてみます。

①「ママが 行きます」

②「ママが います」

③「犬が かみつく」

④「兄が くわしい」

これらの文をきいたとき(見た時)、私たちは何か物足りなさを感じます。①の文なら、どこに行くのか?知りたいと思いますし、②の文なら、ママはどこにいるのだろう?ということでしょう。これらの文に必要な語句を入れてみると、どの文も「どこ・だれ・なに」+「に」という助詞「に」を使う語が不足していることがわかります。そこで文を完成してみます。

①「ママが 行きます」⇒「どこ『に』」という行先・目的地を示す語を補う⇒

【例】「ママが 会社に 行きます」

②「ママが います」⇒「どこ『に』」という存在の場所を示す語を補う⇒

【例】「ママが 台所に います」

③「犬が かみつく」⇒「だれ・どこ『に』」という対象を示す語を補う⇒

 【例】「犬が パパに かみつく」

④「兄が くわしい」⇒「だれ・なに・どこ『に』」という対象を示す語を補う⇒

 【例】「兄が ゲームに くわしい」

 

助詞「に」の用法②.jpg

以上のように、助詞「に」が使われるのは、「行先・目的地」「存在」「対象」の3つの場合です。

次に、3つの助詞「に」の用法について、それぞれの用法で使う動詞はどのような動詞か、助詞手話記号を使いながら説明します。そしてそれらの動詞を使って例文を作ってみましょう。YouTube動画では、これらの動詞の例文を助詞手話記号を使って説明しますので、あとはそれらの動詞を使って文を作ってみてください。

助詞「に」の用法③.pptx.jpg


【参考図書】

○『きこえない子のための新・日本語チャレンジ』70頁~80頁、9699頁、107109頁(*時間・数量に関する「に」の使い方は119123頁を参照)

┃難聴児支援教材研究会
 代表 木島照夫

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