全国の難聴児のための早期支援、聴覚障害教育の情報提供、教材などの紹介を発信します。

だれでもわかる日本語の読み書き~第19回「自動詞なのに、なぜ助詞『を』を使うの?」

前回、動詞には自動詞と他動詞という二つの種類があり、自動詞は、そのものの動きをあらわすときに使う動詞。他動詞は、そのものを動かす動きについて使う動詞ということを学習しました。また、自動詞は「~が+自動詞」のかたちで使い、助詞「~を」をとることはないと学びました。ところが、一部の自動詞の中に、助詞「を」が必要となるものがあります。今回は、「を」を必要とする自動詞と、助詞「を」の3つの使い方について学習します。

以下、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

第19回「自動詞なのに、なぜ助詞「を」を使うの?」(17分・字幕付)

https://youtu.be/Qh-9zh5okPw


また、今回のYouTube動画の無料テキスト・問題は、以下のURLからダウンロードできます。

19.自動詞なのに,なぜ「を」を使うの?(テキスト2・問題3).pdf


〇学習内容

(1)ペアの自動詞・他動詞を使って、文を作ろう!

自動詞なのになぜ「を」を使うの?テキスト1.jpg

前回、学習した自動詞と他動詞の中には、ペアになるものが沢山ありました。今回は、それらの動詞を使って、まず、文を作ってみます。

花子さんは、右のファイルのように、「あがる」と「あげる」を使い、「たこがあげる」「男の子がたこをあがる」と作りました。さて、どこが間違っているでしょうか? 自動詞には「~ア段+る」となる動詞があることを前回学習しました。このルールを使えば「あがる」は自動詞であることがわかります。花子さんは自動詞と他動詞を逆にしてしまったことがわかります。

二郎さんは「出る」「出す」を使って文を作りました。他動詞のルールの中に「~す」となる動詞は他動詞というのがありましたから、二郎さんは正しく動詞を使ってことがわかります。

しかし、「子どもが 出る」という自動詞の使い方に、一郎さんから疑問の声が出ました。

「これだけでは、どこを出たのかがわからない」という疑問です。「たこがあがる」の場合は、空に舞う凧の様子を頭の中に描くことができますから、一応、これでよいと言えます。しかし、「男の子が出る」の場合は、出た場所がわかりませんから、「家を出た」のか、「風呂を出た」のか、「トイレを出た」のか、はたまた「学校を出た」のか全くわかりません。このような場合は、「どこ+を」という場所をあらわすことばを、あらかじめ入れる必要があります。

 

(2)助詞「を」の3つの使い方

助詞「を」3つの使い方.jpg

 助詞「を」が使われるのは、右図のような3つの場合です。

このうち自動詞で「を」が使えるのは、通過の「を」と出発点の「を」の場合です。また、

この使い方やその意味をわかりやすくいあらわすものとして「助詞手話記号」というのがあります。これは、手話を日常的に使っている子どもたちのために作ったもので、助詞「を」を使うのはこの3つの場合ということを理解していると、日記などで使い方を間違えたときにも自分で直すことができます。そ

自動詞なのになぜ「を」を使うの?テキスト2.jpg

してだんだんと助詞の使い方がわかってきたら、このような記号を使わなくてもすむようになります。助詞の意味がほとんどあるいは全く分からない子どもにはとても役立つ方法なので、ぜひ、使ってみていただけるとよいかと思います。

 


自動詞なのになぜ「を」を使うの?問題1.pptx.jpg


自動詞なのになぜ「を」を使うの?問題3.pptx.jpg



【参考図書】

助詞「を」については、以下の書籍を参考にして下さい。また、問題プリントも「動詞・形容詞活用練習ノートCD」(別売)よりプリントアウトしたり、掲載イラストを用いて新たに教材を作ることもできます。

○「きこえない子のための新・日本語チャレンジ」62頁~69頁、103頁~106113118、(*時間・数量に関する「を」の使い方は119130頁を参照)

○「絵でわかる動詞の学習」24頁~26頁、6467


┃難聴児支援教材研究会
 代表 木島照夫

〒145‐0063
東京都大田区南千束2-10-14-505 木島方
TEL / FAX:03-6421-9735

mail:nanchosien@yahoo.co.jp