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11-3YouTube日本語講座(解説)第11回~17回

今回から字幕をつけました(これまで方法がわからず)。これで音声、口話併用の手話、字幕があるので、少しわかりやすくなったかなと思います。

 さて、今回は少し内容を欲張って、①質問文の作り方と②助詞「が・を」を使った文の作り方の二つです。ですので、動画の時間も少し長いです(19分)。ご容赦下さい。


YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。今回から字幕をつけました。

第17回「質問文の作り方&助詞『が・を』の使い方」(19分)

 https://youtu.be/kE-UDTWdrKQ 

今回のYouTube動画の無料テキスト・問題は、以下のURLからダウンロードできます。

17.質問文の作り方と助詞「が・を」の使い方(テキスト・問題).pdf


〇学習内容

①質問文(疑問文)の作り方 

 日本語の質問文の作り方は、英語のように語順を変える必要がないので簡単です。長い

質問文テキスト.jpg

形(ていねい形=ます・です形)なら最後に「か?」(例「食べますか?」「大きいですか?」、短い形ならそのまま語尾をあげるか、「の?」をつけるだけ(「食べるの?」「大きいの?」)。

 また、誰かに質問するとき、質問詞(疑問詞)を使って問いかけます。質問詞としては、以下のようなものがあります。

・時数詞に対応⇒「いつ」「いくつ」「いくら」「どれだけ」など

質問文問題1.jpg

・名詞に対応⇒「だれ」「なに」「どこ」など

・形容詞に対応⇒「どんなだ」

・動詞に対応⇒「どうする」「どうなる」


今回は、例文に「なに」「どんなだ」(形容詞文)、「だれ」「なに」「どうする」(動詞文)をとりあげています。このような質問詞が例文のどの部分と対応しているのか、品詞カードを使って実際に動かしながらたずねると、理解が容易になります。実際にどう動かすかは、動画を見てください。

質問文は、教科書の中でも頻繁に出てくるので、質問していることが文のどこに対応しているのかを理解することが必要です。この機会にしっかり学習しておきましょう。

【参考資料】「質問文の作り方」『きこえない子の新・日本語チャレンジ』37


助詞「が」を使った文のかたち.pptx.jpg


②助詞「が・を」の使い方

前回は、助詞「が」を使って作る文の練習をしましたが、今回は、「が」と「を」を使って作る文の練習です。日本語には、「~が+述部」という、助詞「が」だけが必要な文のかたちがあります(右図上)。このかたちでは、名詞、形容詞、動詞を使うことができます。「を」は使うことができません。必ず必要な情報は1つだけというのが特徴です。

助詞「が・を」を使った文のかたち.jpg

これに対して、「~が~を+述部」となる文のかたちがあります(右図下)。この文のかたちでは名詞や形容詞は使えません。動詞だけです。また、全ての動詞がここに使えるわけでもありません。問題プリントをみればわかりますが、必ずその行為・動作をする人や生き物(主語)があり、そしてその行為・動作の対象となる「目的語・対象語」を必要とする動詞です。

言い換えると、情報が2つ必要な動詞です。今回は、助詞「が」と「を」が必要な文のかたちがあるということ、質問詞を使っ

助詞「が・を」問題1.jpg助詞「が・を」の使い方テキスト.jpg

て、「だれ(なに)が・なにを・どうする?」という質問文が作れることを学習します。

これまでは、時数詞、名詞、動詞、形容詞など単語・品詞の学習が中心でした。今回から助詞を使って、具体的に文を作る練習したいと思います。


〇学習内容

文を作るとき私たちは日本語の文法にしたがっています。語彙の並べ方にもルールがあ

テキスト1.jpgのサムネール画像

ります。当たり前といえば当たり前ですが、では、きこえない子たちは、活用しない名詞が前にきて、名詞の次には助詞が来ること、そして、文の最後には必ず活用する語がくるということをきちんと理解しているでしょうか? 

また、句(例「明るい太陽」)や節(例「黒い服を着た男」)になると、文の前に出るということも理解しているでしょうか? 前者は感覚的にわかっている子が多いですが、後者の句や節の作り方や理解の仕方はかなりあやしい子どもが多いです。というか聾学校低学年の半分以上の子どもは正しく理解していないのが現状だと思います。

テキスト2.jpgのサムネール画像そこで、今回は、まず、文を作るときの品詞の並べ方の基本的なルールについて勉強します。


 また、文を作るときには、必ず助詞が必要です(時数詞のように助詞をはぶくことができる品詞もありますが)。今回は、助詞「が」を使って文を作る練習をします。助詞「が」は、「が」の助詞カードを使って、いろいろなものに当てて「ポストが赤い」「ジュースが冷たい」「ポストが立っている」な

助詞「が」のカードを使った文づくり.jpg

どと遊んだり、絵本の中の登場人物に当てて「だるまさんが、ぷっ」とか、教科書の挿絵に当てて「おばあさんが・・」などとやるのがいちばん理解も早いし、楽しめます。このように、助詞「が」は、述部の形容詞や動詞の主語や動作主にあたります。助詞「が」の前にある名詞を「主語」とも言います。


今回の動画では、「わたあめやわらかい」「わたあめ甘い」などの例文で助詞「が」を導入しています。また、品詞の並べ方ルールでは、活用しないことばが文の前に来て、これを「情報」ということ、活用する

助詞「が」のカードで絵本を読もう.jpg

形容詞や動詞が文のうしろ(最後)に来て、これを「述部」ということ、助詞は情報と述部のあいだにあって、情報と述部を結びつける役割をもっていることなどを学習します。

 

以下、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

第16回「助詞『が』を使って文を作ろう!」(16分)

だれでもわかる日本語の読み書き16~助詞「が」を使って文をつくろう!

https://youtu.be/3GZYSasom3k

また、今回のYouTube動画の無料テキスト・問題は、以下のURLからダウンロードできます。

 16.助詞「が」を使って文をつくろう(テキスト・問題)PDF.pdf


今回は、「子ども用品詞カード」の作り方について説明します。品詞カードは、ホワイトボード上に貼り付けて、日本語の文の構造を一目でわかるようにするとても有効な視覚教材です。YouTube6回で「品詞カードの作り方」を紹介しましたが、その時は、学校の教室の黒板などで使うものでした。今回は、それぞれの子どもが自分の机の上で動かして使うものなので、縦3cm、横8~9cm程度の小型サイズです。

ユーチューブは以下のところを開いて下さい。今回は、教材の作成ですので子ども向けのテキスト等はありません。

 https://youtu.be/y9_lCl2peew

 

1.準備するもの

カラー工作用紙で作る.pptx.jpg

 ①色方眼紙(黄色=名詞、ピンク色=時数詞、黄緑色または薄緑=動詞、水色=形容詞)。

色方眼紙はネット販売でも購入できます。A31枚で80円前後。これを切って使います。

サイズは、3cm×9cm。動詞と形容詞は右側は尖っています。但し、動詞の「て形」と形容詞の「くて形」は右の尖った部分がまっすぐに切ってあり、横細長の台形になります。

これに透明のカバーフィルムを(ブックカバー)を掛けます(ネット販売で500円位)。

裏側にマグネットシート(粘着タイプ)を貼り付けます(ネット販売で600円位)。

②助詞は、色方眼紙ではなく、下記から助詞記号をダウンロードし、印刷して、それにラミネートフィルムで加工し(パウチ加工)、裏側にマグネットシートを貼ります。これでホワイトボードマーカーで何度でも書いたり消したりして使えます(油性マジックは✖)。

③あと、「情報」「助詞」「述部」のカードも同様にダウンロードしたものを加工して作ります。これで完成です。A3のホワイトボードが適度に広さがあって使いやすいですが、机の上が狭ければA4のボードでもやむをえないでしょう。

 

2.色方眼紙がない場合 

付箋紙で品詞カードを作る.jpg

紙と付箋紙で作ります。付箋紙はピンク、黄色、黄緑、水色の4色準備します。助詞はパウチしたもの(前述)を使うのがよいですが、ない場合は、付箋紙を切って使います(色はこだわりません。右図参照)。

 


☆助詞記号・情報・述部等カード(ダウンロード)

 助詞カード・情報述部カード.pdf


☆構文練習用紙(ダウンロード)

 構文練習用紙.pdf

 


形容詞の活用.pptx.jpg

形容詞は動詞と同じようにさまざなに活用します。ただ、動詞には4つの活用パターン(1グループ動詞、2グループ動詞、「する」「来る」)がありましたが、形容詞はただ一つです。その活用パターンは右図のようになります。この用紙はさまざまな形容詞の活用練習用紙になっていますので、下記からPDF版をダウンロードしてお使いください。

 形容詞活用表・練習用紙.pdf


〇学習内容

形容詞の活用テキスト1.jpg

今回は、形容詞がどのように活用するか、「(値段が)高い」という形容詞について、親子の会話で考えてみましょう。ここでは「このりんごは、高い高くなる高くない」の3つを扱っていますが、問題の2では「高いので買えない」「高くて買えない」「高いりんごは買えない」などの使い方も一応、提示しています。ただ、時間的に、今、これらのさまざまな使い方を学習することはできないので、このあとの形容詞の学習で扱っていきます。

形容詞の活用テキスト2.jpg

形容詞の活用はどの形容詞も同じですが、「いい」だけはうまく当てはまりません。例えば、「いかった」は「よかった」になりますし、「いくなる」は「よくなる」になります。「よい」の活用と同じになるのです。ここだけ覚えておけば使い方を間違えることはありません。

また、ここではとりあげていませんが、形容詞「大きい・小さい・おかしい」に似たことばで、「大きな・小さな・おかしな」ということばがあります(例『大きなかぶ』「おおきなのっぽの古時計」「大きな栗の木の下で」など)。これは形容詞と間違えやすいことばですが、活用のない「連体詞」で、うしろに名詞が続く時だけしか使えません。しかし、その違いを説明することは難しいのでここでは扱いません。

 

以下、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

第14回「形容詞の活用」(14分)

だれでもわかる日本語の読み書き14~形容詞その3・形容詞の活用

 https://youtu.be/CcX3FDZauz4


また、学習で使う無料プリント(テキスト・問題)は、下記からダウンロードして下さい。

「テキスト・問題プリント」ダウンロード・・・本時で使用します。

14.形容詞その3・形容詞の活用(テキスト2枚、問題3枚)PDF 

 14.形容詞の活用(テキスト・解答).pdf

形容詞はもの、こと、心の様子などをあらわすことばです。疑問詞(質問詞)では、「どのような」にあたります。私たちはまわりのことを知るときに視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などのいわゆる五感を使って感じとりますが、この五感に関わることばの多くは形容詞です。

また音韻の特徴は、基本形では最後の文字(音・オン)が必ず~イになる特徴があります。 さらに、形容詞の中には心の様子を表すときに用いられる~しいとなることば(しいことば)や、ものごとを比べるときに用いられるはんたいことば(くらべことば)などがあるのも特徴です。今回は、このような形容詞の特徴について調べてみます。

 

〇学習内容

形容詞って?テキスト1.jpg

まず、形容詞はものごとや気持ちの表現など、ようすをあらわすことばであることをおさえておきましょう。そして、五感を含む8つのカテゴリーにわけて形容詞を分類してみます。ここでは時間の都合上、沢山の形容詞をとりあげることはできませんが、学校や家庭では、このような分類表をつくって、言葉探しをしてみるとよいと思います。そのような活動をすることで、私たちの五感をあらわすことば、とくに聴覚、嗅覚、味覚をあらわすことばは決して多くないことにも気づくと思います。

 次に、形容詞の音韻の特徴として、必ず基本形の語尾が「い」で終わることにも気づかせましょう。動画では時間的制約から初めから「い」で終わることを提示していますが、学校や家庭では、形容詞さがしをするときに、形容詞は「い」で終わることを子どもに発見させると楽しく学習できると思います。

 次に、形容詞の中には、「~しい」で終わる気持ちを表すことばがたくさんあることを学習します。「~しい」で終わることばをさがしてみるのも楽しいと思います。

 

以下、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

第13回「形容詞ってどんな品詞?」(16分)

だれでもわかる日本語の読み書き13~形容詞その2・形容詞ってどんな品詞?

 https://youtu.be/j7K7VHQ9Kk0


また、学習で使う無料プリント(テキスト・問題)は、下記からダウンロードして下さい。

「テキスト・問題プリント」ダウンロード・・・本時で使用します。

13.形容詞その2・形容詞ってどんな品詞?(テキスト2枚、問題3枚)PDF 

○形容詞の誤りはどんな誤りが多いか?

形容詞の誤り.pptx.jpgのサムネール画像

形容詞もきこえない子の苦手な品詞のひとつです。日記の中には、使い方の間違いが時々見られます(右図参照)。ここでは、「古い」のタ形(過去形)が、「ふるかった」なのか「ふいかった」のか、「長い」のタ形(過去形)が「ながったのか」「ながかった」なのかなど、形容詞の最後の文字「~い」があるのかないのかがわからなくなった例、また、「~ので」や「~から」という接続助詞とのつながり方がわからなくなった例などいくつかあげてみました。また、ここには出ていませんが、「なにで名詞」(国文法の形容動詞)の「きれい」を「きれいくない」とか「きらい」を「きらいかった」など形容詞と混同する間違いもよくありますが、これは「なにで名詞」を取り上げるときにまた勉強したいと思います。

 

〇形容詞の活用の勉強の仕方

形容詞の活用.pptx.jpg

形容詞の活用は、「いい」を例外として、残りは全て同じ活用をしますので、この活用表ひとつで間に合います。これを使っていろいろな形容詞をその都度とりあげて書き込み、例文を作ることでだんだんと活用の仕方が身につきます。とりあげる形容詞は、日々の生活や学習の中で出てきた形容詞や日記などで間違えた形容詞を取り上げていくのがよいと思います。

また、その時に単に活用表を書きこんで終

形容詞の誤り2.jpg

わりではなく、必ず、どれかの活用を使っていくつか例文を作ってみることです(最低1つは)。例文作りの中で、実際にどのように使うかが学べます。また、日記の中での間違いは、左図のように、小さな活用表を準備しておき、間違えた形容詞を再度、自分で書いてみることです。こうすることで、自分でその誤りに気付くことができます。そして、その用紙を日記帳に貼り付けておくとよいでしょう。

 

以下、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

第12回「形容詞はどこで間違うの?(6分30)

だれでもわかる日本語の読み書き12~形容詞その1・形容詞はどこで間違うの?

 https://youtu.be/znfRcEG6KPk

 

活用おたすけシート(最終版).jpg

また、形容詞と文末「です」の活用を含めた『活用おたすけシート』(最終版)

以下のURLからダウンロードできますので、ラミネートフィルムなどでパウチして使うとよいと思います。

 

 

 

〇はじめに

今回で動詞活用ルールの学習は3回目になります。ちょっとしつこいように感じられるかもしれませんが、きこえない子が日本語がなかなか身に付かないのかということの要因のひとつは動詞(もうひとつは助詞)にあるので、動詞はしっかりと身につけさせたいと思います。

 

〇学習内容

動詞の活用おたすけカード.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像

今回は、3グループ動詞について学習します。3グループというのは、国文法でいう「カ行変格活用」と「サ行変格活用」の両方をまとめたものです。同じグループに分類されているから同じ変わり方をするというわけではなく、1グループにも2グループにも属さない二つの動詞「来る」と「する」をくくっただけのことで、この二つは全く独自の変わり方をします。いわば活用の例外パターンです。ですから、そのまま変わり方を学習し記憶するしかありません。とはいっても記憶することが苦手なお子さんもいますから、右図のような、いつでも何度でも見れる「活用おたすけシート」A4両面に印刷してパウチしておくとよいと思います。このシートのデータは下記からダウンロードできます。

 活用おたすけシート(最終版).docx.pdf

また、YouTube動画は下記のURLを開いて下さい。

https://youtu.be/blsXZUzj4s0

 さらに、学習で使う無料プリント(テキスト・問題)は、下記からダウンロードして下さい。

「テキスト・問題プリント」ダウンロード・・・本時で使用します。

11.動詞の活用その3~3グループ動詞(テキスト2枚、問題2枚)PDF 

11.動詞の活用その3(テキスト・解答).pdf

 

3グループ動詞「来る」の活用.jpgのサムネール画像

これまで、活用表では「基本形」「ない(否定)形」「ていねい形(ます形)」「て形」の基本四形を学習してきましたが、今回から「仮定形」「命令形」「意向形」「可能形」「受身形」「使役形」の6つの活用形も加えました。これらの活用形は3グループ動詞だけでなく、1グループ動詞や2グループ動詞においても必要な活用なので、今回以降の動詞活用表は全ての活用形が入った活用表を使っていきます。

 また、教科書にはさまざまなかたちの活用形で動詞が出現しますし、児童の日記などで

3グループ動詞「する」の活用と「する名詞」.jpg

もさまざまな活用で使います。しかし、まだまだ間違えることも多いので、その都度、間違えた動詞のついて、「活用表」を書かせるとよいです。この表は、小さなサイズのものを作っておくと便利です。子どもが日記や作文などで動詞の活用を間違えたとき、その動詞の活用表を書かせ、自分でその間違いに気づくようにさせるのが正しく使えるようになるための近道です。また、教科書などに出てきた初出の動詞についても活用表を書かせると意味の理解が深まります(右図参照)。

活用練習表.pptx.jpg

さらに、このYouTube動画での動詞のプリントだけでは学習が足りないと感じられる場合や、教科書で出現する動詞の用法について学習したいときなどは、ワーク『絵でわかる動詞の学習』や『はじめての動詞の学習CD』に収録されている関連の問題プリントをぜひ使ってみてください。

┃難聴児支援教材研究会
 代表 木島照夫

〒145‐0063
東京都大田区南千束2-10-14-505 木島方
TEL / FAX:03-6421-9735

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