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絵日記にも発達の順序があります

絵日記はいきなり一人で書けるようになるわけではありません。当然、発達の順序があります。どのように発達するのでしょうか?

 

〇親子で一緒に体験したことを書くことから

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まずはその日に親子で一緒にやったことを振り返りながら言語化していきましょう。

子どもは楽しかったことはよく覚えています。親御さんも子供がなにを楽しんでいたか、心を動かしたか、観察しておくことが必要です。子どもの言ったことに「そうだったね」と共感しながら、振り返ります。

 

2歳の頃は、単語か2語文でよいでしょう。また、「おたまじゃくし」の例であれば、おたまじゃくしの概念を広げるために図書館で、「おたまじゃくし」をテーマにした絵本や

絵日記の順序②.jpg『お

まじゃくしの101ちゃん』(かこさとし)を借りてきて読んであげるのもよいでしょう。


書き言葉にするとき、当然、すべてのことを書けるわけではありません。そのうちのなにを残したいか、子どもと話し合いながら絵にしたり、実物を貼り付けたり、吹き出しを入れたりしながらまとめます(やりとりの例「シャボン玉」参照。但し、このファイルは話のふくらませ方を書いたもので一方的に話しているわけではありません)。


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このような経験を積んでいくと、親が一緒に体験しなかったことについても、少しずつ子どもが思い出しながら話せる・伝えられる力がつい

絵日記の順序⑤.jpgてきます。年少の頃のパパと公園で遊んだ例は、帰ってきてママに伝えたことをママが子どもからききとって書いた絵日記です。この絵日記では、文にも工夫がみられます。形容詞「とおい」の横に「ちかい」と反意語を書いたり、動詞では「あそんだ」の横に「あそぶ」と書いて、「あそんだ」は終わったこと(過去形)なのだということを教えようとしています。さらに「川に近い」「だから~」と順接の接続詞を使って、原因と結果について考えさせる意図がみられます。

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 また、年中の頃の二つの絵日記は、親子で一緒に経験したことを書いたものですが、文が長くなっています。また、位置・空間関係のことばを横に書いたり、「はつもうで」では、教えたいことばを空欄にしたり、選択肢にしたりなどの工夫がみられます。


〇子ども自身が経験したことを思い出して伝える

絵日記の順序⑦.jpg親子で一緒にやったことを共有し、言語化して絵日記に残していく楽しさを積み重ねていくと、子どもは「ママ、きいて!」という気持ちが自然に沸き起こるようになります。こうして、学校であったことを親に伝え、それを文にすることができるようになってきますが、それでも一緒に経験していないことを伝えるのは子どもにとっては難しいことです。これが書記言語の難しさです。自分の頭の中で「いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どのように」などの5WHや「はじめに、次絵日記の順序⑧.jpgに、それから、さいごに」などの時間系列に沿って、自分で話すことを企画しなければならないからです(頭の中で言葉や数字や映像などを思い浮かべてそれを操作できる力=メタ言語意識・メタ認知の力が必要です)。

そこで、親は子どもの話の内容を想像し、上のようなキーワードをうまく使って、子どもの話を引き出し、文章化できるように手伝います。年中児の「月見団子作り」と年長児の「お面作り」は、いずれも作る過程が明確なので子どもにとっては比較的伝えやすい中身です。


〇経験したことを自分で思い出して書く

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これまでに延べてきたような絵日記の活動を親子で積み重ねていくと、子どもは、文の書き方の基本的なパターンを身につけてきます。そして、自分で絵を描きたがる、自分で文を書きたがるようにもなってきます。すべてを子どもに任せるよりも、子どもが自分で書くときと子どもが話したことを親が書いてあげるときと分けるのがよいと思います。というのは、子どもに新しいことばや文法規則など親として教えたいこともたくさんあるからです。

絵日記の順序⑩.jpgのサムネール画像


また、子どもに文字を書かせるときは、字形、書き順などへの配慮も必要ですから、行を分ける線を引くことやマス目を使うなども必要になってきます。


このような順序を経て、小学生になると自分で(絵)日記を書くことが求められるようになりますが、いきなりすべて自分で書くのは大変なことですから、低学年のうちは親御さんも横から支え、だんだんと一人で書けるようにしていくとよいと思います。また、先生方も日々の授業やさまざまな業務に追われて忙しいでしょうが、ぜひ子どもを励ましながら書くことが好きな子どもに育てていっていただきたいと思います。

なお、小学生の日記指導については、このホームページのTOPページ>日記・絵本・手話>小学生の日記指導をご覧ください。 nanchosien.com/10/1/07-3/


┃難聴児支援教材研究会
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