全国の難聴児のための早期支援、聴覚障害教育の情報提供、教材などの紹介を発信します。

絵日記を楽しくする工夫(基礎編)~10のアイデア

「絵日記ってなんか意味があるんですかねえ? 書くことなくって・・」こういう保護者の意見を時々耳(目)にします。絵日記を書くことの意味がわからないままにただ宿題のように「書かされている」絵日記は、子どもも保護者も楽しくないでしょう。そのような絵日記なら書かない方がましです。それより折り紙やお絵かき、かるた、トランプなどをしたり、外に出てからだを動かして親子で遊んだほうがずっと子どもは楽しいし、遊んでくれるお母さんやお父さんを好きになるでしょう。

でも、きこえない子は、日々会話しているだけで自然に日本語の力がつくことはありません。ここが、聴力ゼロデシベルのきこえる子との決定的な違いです。もちろん、日本語の読み書きの力をつける上で絵日記が絶対とは言いませんが、子どもの日本語の読み書きの力をもう少し育ててやりたい、と思われるのでしたら、絵日記をやめる前に、もう一度、どうしたら絵日記が子どもと楽しめるものになるか考えてみてはどうでしょう? 絵日記って使い方次第でやはり読み書きの力をつける上でとても有効だし、子ども自身にとっても、自分が「主人公」の自分の「物語絵本」なのでけっこう楽しめるものですから。  

 

〇絵日記の前に、まず子どもと"一緒にやること"を楽しみましょう!

 絵日記をちょっと横に置いといてください。まず、お子さんとの生活をどのように楽しんでいらしゃいますか? もちろん、楽しいことばかりではないでしょうし、忙しくて時間的な余裕がないとついついご飯を作って、食べさせて、お風呂に入れて、着替えさせて・・と機械的にやるべきことをこなしていくだけ、子どもとの会話は指示することばかり・・となりがちです。でも、15分でも30分でも子どもと"一緒に"いる時間、例えば、お母さんと一緒に通園したり、公園に散歩に行ったり、買い物に行ったり、おやつを作ったり、料理したり、絵本を読んだりする時間があれば、それはとても子どもにとっての大事な生活経験の場になりますし、「ことばを学ぶ場」にもなります。

例えば、公園でのブランコや鬼ごっこ、ジャングルジム、自転車遊びなどは、しなやかなからだを育てることにつながるでしょうし、一緒に通園や散歩する道々で見たり聞いたりすることは、社会の決まりを守ることの大切さや行動を調整する力を育てることにつながるでしょう。また、買物したりお店の人の様子をみることは、仕事や社会のしくみへの関心や知識を育てることに、さらに自然の移り変わりに目を向けることは物事への好奇心や探求心、観察力を育てる場にもなるでしょう。あるいは、料理、洗濯、掃除、ゴミ捨て、風呂焚きなど家の仕事を一緒にすることは、家事についての知識や共通の目的に向かって協力することの大切さを学ぶ場にもなるでしょう。そして、そこで交わされることばによって、子どもは感じたこと・思ったことを表現し、相手の話すことや相手の気持ちを理解し、自分の考えを見直したり、お互いに伝え合うことの大切さを学ぶ場になります。すなわち、忙しい忙しくないに関わらず生活の中で起こる出来事・行動・活動の"全て"が、子どもがからだやことばやこころを育てるチャンスになると言ってよいのではないでしょうか。実は私にも苦い思い出があります。それは自分の娘が年長の頃、こう娘に言ったことがあります。私「○○ちゃん、ちょっとお風呂見てきてよ」娘「は~い」(しばらくして帰ってきて)娘「見てきたよ~」私「どうだった?」娘「うん、四角だったよ」私「はあ?」 お風呂を沸かそう.jpg

あきれてものも言えませんでしたが、考えてみれば、風呂がどうやって沸くのか、その仕組みも教えたことはなかったのでした。ですから、先日ブログに書いた「バケツを知らない子」(*参照)のことをどうこう言う資格は本当は私にもないのです。日々の生活の中で教えなくちゃわからないことって沢山あります。それを一つ一つこなしていくだけで、書く材料は毎日あるはずなのです。右の例は、そんなある保護者の例です。

 (*)http://nanchosien.com/nyuyou/post_100.html

 

〇子どもと一緒にやったことは゛書く材料"になる

子どもと"一緒にやったこと"があれば、絵日記に書く材料は十分にあります。ただ、あとは、子ども本人が関心をもっているかどうかですが、それは、その"一緒にやったこと"を子どもが興味をもち、楽しんでいたかどうかにかかっています。保護者の日記ではなく、子どもの絵日記ですから当然と言えば当然です(そのためには子どもがその"一緒にやること"に関心をもつように仕向ける努力も必要です)。それでも子どもが関心をもったことや書いてほしいことがなく、いやがるのであれば絵日記は思い切ってやめましょう。そして、子どもが楽しめそうな「しりとり」とか「手話しりとり」でもやって、それをその日の絵日記にしてしまいましょう。それもいやで外でボール投げでもしたのなら、「ボール投げをしたよ」と絵を添えて3分で書き、それを絵日記にしてしまいましょう。

 

〇絵日記に決まりはありません~10のアイデア紹介

絵日記に書き方の決まりはありません。私は保護者の方に絵日記を見せていただく機会が多いですが、本当に書き方は千差万別です。年少でも長い文を書く人もいれば年長で2語文程度の人もいます。それは子どもの語る量(書きたいことがいっぱいある)や子どもの日本語の理解力によっても異なります。ここでは、子どもを楽しませ飽きさせない工夫や仕掛け 絵日記の工夫①実物添付.jpgの数々、また、その子の日本語に関する課題を日記で取り上げた例などいくつか紹介してみます。

 

1.実物を貼った絵日記

 これはよくある方法。記念になるパンフレットやチケット類など残して貼ります。

 

2.仕掛けのある絵日記

 絵の中に仕掛けがあり、

動かして遊べるので子ど もが楽しめる。 絵日記の工夫③仕掛け.jpg

絵日記の工夫②仕掛け.jpgのサムネール画像のサムネール画像

3.4コマ漫画で描いた絵日記

  絵日記の工夫④4コマ漫画.jpgまんがはその出来事の展開が4分割して描かれており、文章構成の基本になる表現の仕方。

 

 

 

 

 

 

 

 

4.絵に吹き出しを入れた絵日記

 漫画には吹き出しが入っています。このように絵 にセリフを入れることで、実際の会話を表現することができます。 絵日記の工夫⑬吹き出し.jpg 絵日記の工夫④吹き出し.jpg

 

 

5.手話や指文字の絵を入れた絵日記

 新しいことばや難しいことばに手話や指文字を入れる方法 絵日記の工夫⑤手話や指文字の絵.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.付箋紙を使った絵日記

 名詞や動詞を付箋紙にして、子どもが貼れるようにした絵日記。 絵日記の工夫⑥付箋紙.jpgのサムネール画像のサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.活動の手順や材料がわかるように工夫した絵日記

活動の手順や材料などが書かれており、その活動全体の様子がわかる 絵日記の工夫⑨活動の手順・材料.jpg 絵日記の工夫⑧活動の手順・材料.jpg

8.文を4段落で書いた絵日記

 文章は4段落にまとめるのが最も人に伝わりやすい形です(起承転結・4コマ漫画)。 絵日記の工夫⑩4段落.jpg

絵日記の工夫⑪4段落.jpg文の構成力をつけるためには「はじめ・なか1・なか2・おわり」という4段落でまとめるように習慣づけるとよいでしょう。

 

 

9.オノマトペを使った絵日記

 モノの音(擬音語・例「犬がワンワン吠える」「ドアがバタンとしまった)とか、モノの状態を表すことば(擬態語・例「雨がしとしと降る」のこと 絵日記の工夫⑭オノマトペ.jpgで、ふつうの日本語に比べて表現が子どもにもわかりやすいです。「このパンは生地がやわらかくて適度な食感もあるね」と言っても子どもにはわかりませんが、「ふっくらして、もちもちだね」と言えばわかります。

 

 

 

10.やる気がしない時や忙しい時

 こんなときもありますね。「やらなきゃやらなきゃ」と子どもも自分も追い込むよりは、

子どもと遊びます。そしてそれを絵日記にします。あるいは、学校からもらったプリントなどを適当にアレンジして、問題形式などにして利用します。 絵日記の工夫⑯やる気がしないとき.jpg 絵日記の工夫⑮やる気がしないとき.jpg

以上、10のアイデアを提案しました。参考にしながら、子どもが楽しめる絵日記を工夫 どうすればことばが育つか.jpgのサムネール画像していただけるとよいと思います。なお、 『絵日記の書き方』は、下記の書籍『どうすればことばが育つか?~9歳の壁を越えるために』(全国早期出版研究協議会編、900円)を参考にしてください。この書籍には、「絵本の読み聞かせ」「絵日記の書き方」「ことば絵じてんづくり」「ことばあそびの方法」「きこえない子のことばの発達」などついて書かれています。(詳細は本HP>出版案内(早期支援)下記URL参照)

 http://nanchosien.com/publish/post_27.html

 

注文は以下のところにお願いします。
お名前・ご住所・連絡先・希望の本と冊数をご記入のうえ、メールかFAXで申し込んでください。
本の発送とともに送金方法をお知らせいたします。
本が到着後に指定の郵便口座か銀行口座にお振込みください。

 

メールの場合・・・ 

soukisien@yahoo.co.jp (早期支援) 

nanchosien@yahoo.co.jp (難聴支援)

FAXの場合・・・
 048-916-6250(江原)    03-6421-9735(木島) 
*FAXの場合は、こちらのファイルをダウンロード後、必要事項をご記入下さい。(申込用紙記入後、携帯写メで撮影・添付してメール送信でも可

book_fax6.pdf

 

┃難聴児支援教材研究会
 代表 木島照夫

〒145‐0063
東京都大田区南千束2-10-14-505 木島方
TEL / FAX:03-6421-9735

mail:nanchosien@yahoo.co.jp