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幼児の絵日記

絵日記はいきなり一人で書けるようになるわけではありません。当然、発達の順序があります。どのように発達するのでしょうか?

 

〇親子で一緒に体験したことを書くことから

絵日記の順序①.jpg

まずはその日に親子で一緒にやったことを振り返りながら言語化していきましょう。

子どもは楽しかったことはよく覚えています。親御さんも子供がなにを楽しんでいたか、心を動かしたか、観察しておくことが必要です。子どもの言ったことに「そうだったね」と共感しながら、振り返ります。

 

2歳の頃は、単語か2語文でよいでしょう。また、「おたまじゃくし」の例であれば、おたまじゃくしの概念を広げるために図書館で、「おたまじゃくし」をテーマにした絵本や

絵日記の順序②.jpg『お

まじゃくしの101ちゃん』(かこさとし)を借りてきて読んであげるのもよいでしょう。


書き言葉にするとき、当然、すべてのことを書けるわけではありません。そのうちのなにを残したいか、子どもと話し合いながら絵にしたり、実物を貼り付けたり、吹き出しを入れたりしながらまとめます(やりとりの例「シャボン玉」参照。但し、このファイルは話のふくらませ方を書いたもので一方的に話しているわけではありません)。


絵日記の順序③.jpg

絵日記の順序④.jpg










このような経験を積んでいくと、親が一緒に体験しなかったことについても、少しずつ子どもが思い出しながら話せる・伝えられる力がつい

絵日記の順序⑤.jpgてきます。年少の頃のパパと公園で遊んだ例は、帰ってきてママに伝えたことをママが子どもからききとって書いた絵日記です。この絵日記では、文にも工夫がみられます。形容詞「とおい」の横に「ちかい」と反意語を書いたり、動詞では「あそんだ」の横に「あそぶ」と書いて、「あそんだ」は終わったこと(過去形)なのだということを教えようとしています。さらに「川に近い」「だから~」と順接の接続詞を使って、原因と結果について考えさせる意図がみられます。

絵日記の順序⑥.jpg


 また、年中の頃の二つの絵日記は、親子で一緒に経験したことを書いたものですが、文が長くなっています。また、位置・空間関係のことばを横に書いたり、「はつもうで」では、教えたいことばを空欄にしたり、選択肢にしたりなどの工夫がみられます。


〇子ども自身が経験したことを思い出して伝える

絵日記の順序⑦.jpg親子で一緒にやったことを共有し、言語化して絵日記に残していく楽しさを積み重ねていくと、子どもは「ママ、きいて!」という気持ちが自然に沸き起こるようになります。こうして、学校であったことを親に伝え、それを文にすることができるようになってきますが、それでも一緒に経験していないことを伝えるのは子どもにとっては難しいことです。これが書記言語の難しさです。自分の頭の中で「いつ、どこ、だれ、なに、なぜ、どのように」などの5WHや「はじめに、次絵日記の順序⑧.jpgに、それから、さいごに」などの時間系列に沿って、自分で話すことを企画しなければならないからです(頭の中で言葉や数字や映像などを思い浮かべてそれを操作できる力=メタ言語意識・メタ認知の力が必要です)。

そこで、親は子どもの話の内容を想像し、上のようなキーワードをうまく使って、子どもの話を引き出し、文章化できるように手伝います。年中児の「月見団子作り」と年長児の「お面作り」は、いずれも作る過程が明確なので子どもにとっては比較的伝えやすい中身です。


〇経験したことを自分で思い出して書く

絵日記の順序⑨.jpg

これまでに延べてきたような絵日記の活動を親子で積み重ねていくと、子どもは、文の書き方の基本的なパターンを身につけてきます。そして、自分で絵を描きたがる、自分で文を書きたがるようにもなってきます。すべてを子どもに任せるよりも、子どもが自分で書くときと子どもが話したことを親が書いてあげるときと分けるのがよいと思います。というのは、子どもに新しいことばや文法規則など親として教えたいこともたくさんあるからです。

絵日記の順序⑩.jpgのサムネール画像


また、子どもに文字を書かせるときは、字形、書き順などへの配慮も必要ですから、行を分ける線を引くことやマス目を使うなども必要になってきます。


このような順序を経て、小学生になると自分で(絵)日記を書くことが求められるようになりますが、いきなりすべて自分で書くのは大変なことですから、低学年のうちは親御さんも横から支え、だんだんと一人で書けるようにしていくとよいと思います。また、先生方も日々の授業やさまざまな業務に追われて忙しいでしょうが、ぜひ子どもを励ましながら書くことが好きな子どもに育てていっていただきたいと思います。

なお、小学生の日記指導については、このホームページのTOPページ>日記・絵本・手話>小学生の日記指導をご覧ください。 nanchosien.com/10/1/07-3/


前回、絵日記の書き方についてアップしてから2週間経ってしまいましたが、今回は、発展編として、日本語の読み書きの力と考える力の向上に繋がる書き方を、親御さんたちの工夫の中から5つ紹介したいと思います。

 

因果関係がわかるように工夫した絵日記 絵日記の工夫⑦因果関係.jpgのサムネール画像

 論理的な思考ができるためには、原因・結果、理由などをことばで説明できることが大事です。また、絵日記だけではなく、日常生活の中で機会をとらえてその場で取り上げることも大事です。ある聾のママはメモ帳を常に持ち歩き、気づいたときにササッと書いて子どもに見せ、考えさせていました。チャンスを逃さない姿勢に感心させられました。そのメモ帳が右下の図です。 メモ帳で子どもに考えさせる.jpgのサムネール画像

 

 

 

2.見たことを書く(観察日記)

日記に書くことは子ども本人が「したこと」が中心ですが、ときには「見たこと」を書くのも大切です。季節の移り変わり、町の人々や乗物、動物や植物の様子や変化、いろいろなものに「あれっ、なんだろう?」と気づく観察力も伸ばしたいですね。 見たことを書く(観察日記2).jpg

見たことを書く(観察日記).jpg

 

3.対比的に文を書く方法 対比的に文を書く方法.jpg

昨日と今日の違い、兄と弟の違いなどさまざまな「違い」について注目し、比較して考えることはとても大事です。

 

 

4 名詞修飾(大きな名詞)を使おう

日本語の難しさのひとつが、名詞修飾用法です。日本語は英語のような関係代名詞がなく、ある名詞を詳しく説明するためにその名詞の前に語や文をもってきま 名詞修飾を使う1.jpgす。そのため、どこからどこまでがその名詞を修飾しているのかがわかりにくい場合があります。日本語のこのような方法に慣れておくために、幼児期の絵日記の中で具体的に使い、示しておくとよいと思います.

 

 

 

 

 

 

5 受動文や使役文などを意図的に使う

  受動文を使う.jpgきこえない子の苦手な受動文や使役文、授受文など、複数の人の関係を考えさせる文を、自分の経験したことの中で使っておくことが大切です。ただ、親が意識していないとなかなかこうした用法は使わないのも確かです。もう少し意図的に使っていきたいです。

 

 また、ほかにも比較を表す言い方(~より~が~など)、位置関係を表わす言い方(~の上に~がある、「車の前」「前の車」など)など、きこえにくい子の苦手な言い方があります。こうした言い方も意識的に、絵日記の中で取り上げるとよいと思います。

 

「絵日記ってなんか意味があるんですかねえ? 書くことなくって・・」こういう保護者の意見を時々耳(目)にします。絵日記を書くことの意味がわからないままにただ宿題のように「書かされている」絵日記は、子どもも保護者も楽しくないでしょう。そのような絵日記なら書かない方がましです。それより折り紙やお絵かき、かるた、トランプなどをしたり、外に出てからだを動かして親子で遊んだほうがずっと子どもは楽しいし、遊んでくれるお母さんやお父さんを好きになるでしょう。

でも、きこえない子は、日々会話しているだけで自然に日本語の力がつくことはありません。ここが、聴力ゼロデシベルのきこえる子との決定的な違いです。もちろん、日本語の読み書きの力をつける上で絵日記が絶対とは言いませんが、子どもの日本語の読み書きの力をもう少し育ててやりたい、と思われるのでしたら、絵日記をやめる前に、もう一度、どうしたら絵日記が子どもと楽しめるものになるか考えてみてはどうでしょう? 絵日記って使い方次第でやはり読み書きの力をつける上でとても有効だし、子ども自身にとっても、自分が「主人公」の自分の「物語絵本」なのでけっこう楽しめるものですから。  

 

〇絵日記の前に、まず子どもと"一緒にやること"を楽しみましょう!

 絵日記をちょっと横に置いといてください。まず、お子さんとの生活をどのように楽しんでいらしゃいますか? もちろん、楽しいことばかりではないでしょうし、忙しくて時間的な余裕がないとついついご飯を作って、食べさせて、お風呂に入れて、着替えさせて・・と機械的にやるべきことをこなしていくだけ、子どもとの会話は指示することばかり・・となりがちです。でも、15分でも30分でも子どもと"一緒に"いる時間、例えば、お母さんと一緒に通園したり、公園に散歩に行ったり、買い物に行ったり、おやつを作ったり、料理したり、絵本を読んだりする時間があれば、それはとても子どもにとっての大事な生活経験の場になりますし、「ことばを学ぶ場」にもなります。

例えば、公園でのブランコや鬼ごっこ、ジャングルジム、自転車遊びなどは、しなやかなからだを育てることにつながるでしょうし、一緒に通園や散歩する道々で見たり聞いたりすることは、社会の決まりを守ることの大切さや行動を調整する力を育てることにつながるでしょう。また、買物したりお店の人の様子をみることは、仕事や社会のしくみへの関心や知識を育てることに、さらに自然の移り変わりに目を向けることは物事への好奇心や探求心、観察力を育てる場にもなるでしょう。あるいは、料理、洗濯、掃除、ゴミ捨て、風呂焚きなど家の仕事を一緒にすることは、家事についての知識や共通の目的に向かって協力することの大切さを学ぶ場にもなるでしょう。そして、そこで交わされることばによって、子どもは感じたこと・思ったことを表現し、相手の話すことや相手の気持ちを理解し、自分の考えを見直したり、お互いに伝え合うことの大切さを学ぶ場になります。すなわち、忙しい忙しくないに関わらず生活の中で起こる出来事・行動・活動の"全て"が、子どもがからだやことばやこころを育てるチャンスになると言ってよいのではないでしょうか。実は私にも苦い思い出があります。それは自分の娘が年長の頃、こう娘に言ったことがあります。私「○○ちゃん、ちょっとお風呂見てきてよ」娘「は~い」(しばらくして帰ってきて)娘「見てきたよ~」私「どうだった?」娘「うん、四角だったよ」私「はあ?」 お風呂を沸かそう.jpg

あきれてものも言えませんでしたが、考えてみれば、風呂がどうやって沸くのか、その仕組みも教えたことはなかったのでした。ですから、先日ブログに書いた「バケツを知らない子」(*参照)のことをどうこう言う資格は本当は私にもないのです。日々の生活の中で教えなくちゃわからないことって沢山あります。それを一つ一つこなしていくだけで、書く材料は毎日あるはずなのです。右の例は、そんなある保護者の例です。

 (*)http://nanchosien.com/nyuyou/post_100.html

 

〇子どもと一緒にやったことは゛書く材料"になる

子どもと"一緒にやったこと"があれば、絵日記に書く材料は十分にあります。ただ、あとは、子ども本人が関心をもっているかどうかですが、それは、その"一緒にやったこと"を子どもが興味をもち、楽しんでいたかどうかにかかっています。保護者の日記ではなく、子どもの絵日記ですから当然と言えば当然です(そのためには子どもがその"一緒にやること"に関心をもつように仕向ける努力も必要です)。それでも子どもが関心をもったことや書いてほしいことがなく、いやがるのであれば絵日記は思い切ってやめましょう。そして、子どもが楽しめそうな「しりとり」とか「手話しりとり」でもやって、それをその日の絵日記にしてしまいましょう。それもいやで外でボール投げでもしたのなら、「ボール投げをしたよ」と絵を添えて3分で書き、それを絵日記にしてしまいましょう。

 

〇絵日記に決まりはありません~10のアイデア紹介

絵日記に書き方の決まりはありません。私は保護者の方に絵日記を見せていただく機会が多いですが、本当に書き方は千差万別です。年少でも長い文を書く人もいれば年長で2語文程度の人もいます。それは子どもの語る量(書きたいことがいっぱいある)や子どもの日本語の理解力によっても異なります。ここでは、子どもを楽しませ飽きさせない工夫や仕掛け 絵日記の工夫①実物添付.jpgの数々、また、その子の日本語に関する課題を日記で取り上げた例などいくつか紹介してみます。

 

1.実物を貼った絵日記

 これはよくある方法。記念になるパンフレットやチケット類など残して貼ります。

 

2.仕掛けのある絵日記

 絵の中に仕掛けがあり、

動かして遊べるので子ど もが楽しめる。 絵日記の工夫③仕掛け.jpg

絵日記の工夫②仕掛け.jpgのサムネール画像のサムネール画像

3.4コマ漫画で描いた絵日記

  絵日記の工夫④4コマ漫画.jpgまんがはその出来事の展開が4分割して描かれており、文章構成の基本になる表現の仕方。

 

 

 

 

 

 

 

 

4.絵に吹き出しを入れた絵日記

 漫画には吹き出しが入っています。このように絵 にセリフを入れることで、実際の会話を表現することができます。 絵日記の工夫⑬吹き出し.jpg 絵日記の工夫④吹き出し.jpg

 

 

5.手話や指文字の絵を入れた絵日記

 新しいことばや難しいことばに手話や指文字を入れる方法 絵日記の工夫⑤手話や指文字の絵.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.付箋紙を使った絵日記

 名詞や動詞を付箋紙にして、子どもが貼れるようにした絵日記。 絵日記の工夫⑥付箋紙.jpgのサムネール画像のサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.活動の手順や材料がわかるように工夫した絵日記

活動の手順や材料などが書かれており、その活動全体の様子がわかる 絵日記の工夫⑨活動の手順・材料.jpg 絵日記の工夫⑧活動の手順・材料.jpg

8.文を4段落で書いた絵日記

 文章は4段落にまとめるのが最も人に伝わりやすい形です(起承転結・4コマ漫画)。 絵日記の工夫⑩4段落.jpg

絵日記の工夫⑪4段落.jpg文の構成力をつけるためには「はじめ・なか1・なか2・おわり」という4段落でまとめるように習慣づけるとよいでしょう。

 

 

9.オノマトペを使った絵日記

 モノの音(擬音語・例「犬がワンワン吠える」「ドアがバタンとしまった)とか、モノの状態を表すことば(擬態語・例「雨がしとしと降る」のこと 絵日記の工夫⑭オノマトペ.jpgで、ふつうの日本語に比べて表現が子どもにもわかりやすいです。「このパンは生地がやわらかくて適度な食感もあるね」と言っても子どもにはわかりませんが、「ふっくらして、もちもちだね」と言えばわかります。

 

 

 

10.やる気がしない時や忙しい時

 こんなときもありますね。「やらなきゃやらなきゃ」と子どもも自分も追い込むよりは、

子どもと遊びます。そしてそれを絵日記にします。あるいは、学校からもらったプリントなどを適当にアレンジして、問題形式などにして利用します。 絵日記の工夫⑯やる気がしないとき.jpg 絵日記の工夫⑮やる気がしないとき.jpg

以上、10のアイデアを提案しました。参考にしながら、子どもが楽しめる絵日記を工夫 どうすればことばが育つか.jpgのサムネール画像していただけるとよいと思います。なお、 『絵日記の書き方』は、下記の書籍『どうすればことばが育つか?~9歳の壁を越えるために』(全国早期出版研究協議会編、900円)を参考にしてください。この書籍には、「絵本の読み聞かせ」「絵日記の書き方」「ことば絵じてんづくり」「ことばあそびの方法」「きこえない子のことばの発達」などついて書かれています。(詳細は本HP>出版案内(早期支援)下記URL参照)

 http://nanchosien.com/publish/post_27.html

 

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  きこえない子の日本語のつまずきの一つに、日本語の文が作れない(構文できない)、ということがあります。なぜ文が作れないのか? その原因の一つは単語を知らないということがあります。文を構成するパーツが不足していれば、文が作れないのは当然ですからこれは単語を覚えて増やすしか方法はありません。

次に、単語がわかっても助詞がわからないので文が作れない、ということもあります。確かにそれも言えそうです。しかし、文を作るために絶対に必要な助詞は、「が(は)、を、に、と」の4つだけです。しかも、あらゆる文は、この4つを使った基本の文の形でできていますから(これまでに何度も述べてきた5つの基本文型)、この基本文型のかたちと、そこに使われる動詞(形容詞)さえわかっていれば、文は作れることになります。

28年少(井上りな).JPG

聾学校では、幼稚部で子どもと一緒に絵日記を書くことが、保護者の大きな役割の一つになっていますが、実は、親御さんたちは、ごく自然に、ほとんど無意識のうちに、この基本文型にあてはめて日記の文を書いています。右の絵日記の写真はまさにその例です。

日記なので「だれが」は全て省略されていますが。

上の例は年少児の絵日記ですが、ここでは、「切手を買う」「手紙を書く」「切手を貼る」これらは基本文型2が使われています。「ポストに入れる」。これは基本文型3です。

下の年中児の例はどうでしょう? 28幼2りんたろう.JPG

ここで使われている基本文型は、修飾語句を除いた「耳が痛かった」(形容詞文)「病院はお休みだ」(名詞文)の基本文型1と、「耳鼻科に行った」(動詞文)の基本文型3だけです。

 このように、どんな文でも、使われている基本文型は決まっています。つまり、私たちは文を作るときに5つのフォーマットを使って、そしてたいていは基本文型1から3までのフォーマットを使って、そのフォーマットの上に言いたいことを載せているだけなのです。ということは、まず、子どもに教える必要があるのは、この基本のフォーマットなのです。それを、絵日記を通じて親御さんたちは教えているわけです。

 

  りゅうが2015.10.JPGこのように幼児を過ごし、小学部に入った子どもたちは、自分で日記を書くわけですが、ちゃんとそれらのフォーマットを使って日記が書けるようになります。

 右の例は小1児童の日記ですが、「そうじをしました」「ぼくはお手伝いをしました」「お父さんは掃除機をかけました」(以上基本文型2)、

「部屋がピカピカになった」(基本文型3)、「掃除機をかけたのが楽しかった」(基本文型1)。

基本の文型に当てはめて書いています。

 

このように、幼児期に基本の文型を使って構文できるようにしていくことで、子どもも基本的な文を自分で作ることができるようになります。あとは、使われる動詞と助詞の組み合わせのパターン。例えば私たちは「これか bunnkei.jpgら 山に」ときけば「行く、登る」などの動詞が次に来るのでは?と予想できますが、きこえない子は、私たちほどには聞きなれ、使い慣れているわけではないので、この助詞と動詞の組み合わせパターンを収集して整理するのも一つの方法です。「を」とセットで使う動詞、「に」とセットで使う動詞などです。「と」とセットで使う動詞などです。

右の図は「きこえない子のための日本語チャレンジ」の1ページです。

「写真カード」「コミ・カード」「絵日記」。

  この3つはどのように違うのでしょうか? まず、そこから考えてみたいと思います。 

 

1.「写真カード」

 

 赤ちゃんは0歳の後半期になるとだんだんと、経験したことを頭の中にイメージ(映像)として記憶できるようになってきます。そうすると、例えば新幹線に乗った経験などもその時に撮った写真をあとで見て、その時の楽しかった経験を思い出すことができるようになります。 写真カードの使用.jpg

写真をみて様々なことを思い出せれば、まだことばがわからなくとも(といっても言語の表出はまだでも理解はある程度できてきます)、写真をみて、親子でコミすることができるようになってきます。「Cちゃん、これから買い物に行こう。ほら、ここだよ」と言いつつ、いつも行くスーパーの写真を見せながら語り掛けると、子どもはスーパーの写真を見て「アッ」と指さしをしてスーパーでの買い物を思い出したりすることができます。この段階では「写真カード」にはまだ文字はあまり書かれていません(書いても差し支えありませんが)。

 

2.「コミュニケーションカード」(コミ・カード)

 

  さらに年齢が進むと、子どもが喜んだり興味を示したことに対して、ささっと絵を描いたり写真にとって記録として残しておき、あとで子どもと一緒に「楽しかったね~」と振り返ったりできるようになります。もちろん楽しかったことだけでなく、転んでひざをすりむき泣いたことなどもよいでしょう。 体験カードから絵日記へ.jpg

このように、子どもが印象付けられたことをその場で絵や写真に残し、子どもと経験を共有したり、あとで(なるべくその日に)、子どもと一緒にもう一度印象深かった経験を振り返ってみたりするのが「コミュニケーションカード(コミ・カード)」で、これはもう「絵日記」とほとんど変わりません。あえて言えば、カードに書いてその場での会話に使ったり、持ち帰ってスケッチブックに貼りつけるといった点が違うかもしれません。

 

3.「絵日記」

 

 聾学校の幼稚部や療育機関では、「絵日記」をかくことを保護者に課していることが多いと思います。しかし、なんのために絵日記をかくのかといったねらいが保護者に伝えられていないことも多く、保護者の負担になっていることも少なくありません。

 私は、絵日記には、以下のような大切な意味があると考えています。

 

(1)絵日記は子ども本人が主人公の(絵)物語。 絵日記の始まり.jpg

 本人の経験したこと(やったこと、見たこと、思ったこと、感じたことなど)を綴った自伝的記録ですから、子どもにとっては世界で一冊しかない貴重な本です。子ども本人が将来、自分でこの記録が書けるように、今は親が手伝って一緒に書いているわけです。

 

(2)文を書く中で、その表現方法(技術)を伝える。 

 単語から2語文へ、そして3語文へ多語文へと、日記に綴る文は、子どもの成長と共にだんだんと長くなっていきます。と同時に、いろいろな表現の仕方、例えば「オノマトペ」を使ったり、例えや比喩を使ったり、会話文を入れたり、受動文や使役文、接続詞、複文などの表現方法などを、子どもの表現力の成長と共に意図的に使うことで、子どもが将来自分で使えるようにウォーミングアップをします。

 

(3)絵日記の中身を人に伝える力を育てる

 聾学校などでは、親子で書いた絵日記を、翌日、担任の先生にその内容を伝えたり、クラスの皆の前で発表したりする時間をとっていると思います。これは、書記言語習得への貴重な橋渡しをする機会です。私たちは、将来、手紙やメールを書いたり、会社でプレゼンや報告書など文書を作成したりなど何かを書く機会が必ずあります。その時に必要なことは、「いつ、どこ、だれ、なに、なぜ」などの5W1Hや「はじめに・・それから・・最後に・・まとめると・・」といった順序に沿った文の組み立て方などを、全て自分の頭の中で考えながら、どうすれば相手に伝わるか読み手を想像しつつ、書いていくことが求められます。それが書記言語です。

しかし、その力は一朝一夕につくわけではありません。その前の段階で、自分で伝えたいと思うことをきいてくれる人がいることが必要です。それが「先生、あのね」の段階です。「うんうん、それで?」とか「だれと言ったの?」とか「そりゃ楽しかったね」などと足りないことを質問してくれたり、一緒に共感してくれる人の存在です。そうした練習を経ながら、私たちは自分一人で文が書けるようになっていきます。その大切なプロセスが、絵日記の中身を他者に伝えるという行為の中に含まれています。

 

  以上のような絵日記の意義を踏まえて、ぜひ、お子さんにとって楽しい絵日記を書いて欲しいと思います。もちろん、それぞれの家庭には事情があってなかなか絵日記に取り組む時間がとれないという方もいらっしゃると思いますし、「私は絵が下手で・・」と絵日記に消極的になる方もおられると思います。毎日でなくてもいいですし、写真を使ったり、線画でもかまいません。お子さんに絵を描かせるというのもよいでしょう。その時に使った実物やチケットやレシートを貼り付けるのもよい方法です。週1回でもかまいません。できる範囲でいろいろと工夫しながらお子さんと会話しつつ書く時間は、お子さんにとっても、とても貴重な時間になると思います。


Ⅰ.絵日記特集

1.日記、なに書きゃいいのさ~?

 「日記、書くことないです」「毎日同じ生活してるし・・・」。

親御さんたちから、よくきくことばです。話をきいてみると、「明日までに書かないといけない!→ねえ、何、書こうか?→子どもは知らんぷり→困った、書くのが宿題だし。何書こう?・・・」と、お母さんが孤軍奮闘?している姿が見えてきます。

「宿題なの?」と尋ねると、「いやあ、そうとは決まっていないけど、でも、みんな書いてるし、私だけ書かないのは・・・」

「それって、おつきあいで書いてるの? 誰におつきあいしているの?」ってききたくなりますが、そ  ういういやみは言わないで、こうきいてみました。

「日記は子どもが書くんですよね? 本当は?」

「そうですよ。でも、書けないでしょ、子どもは」

「そうですよね。だから、お母さんが書くわけですね。でも、お母さんは子ども本人じゃないから書けない」

「そうですよ。だから困っているんですよ」

「でも、子どもは毎日いろんなことに興味をもっているんじゃない? なんにも興味ない子っていないですよね」 

「そうですよ~。うちの子、すぐなんでも駆け寄って、手を出してさわるからこまっちゃうんですよ」

「じゃあ、それを書けばいいんじゃない? 題材いっぱいありすぎるくらいあるんじゃない?」

「えっ? ああ、そう言われればそうですけど。でも、それでいいんですか?」

「いいんですよ。日記のかたちなんか決まっていませんよ。内容だって自由ですよ。大事なのは、子どもが何に興味をもち、自分の興味関心がお母さんとのやりとりの中でかたちになって書き留められることですよね。それが書きことばのはじまりですよね。」

 

そんな会話をしてから、その親御さんは、一緒にいるとき、子どもが何に興味をもったか、よく見るようになりました。さて、以下の日記は、あるデフファミリーのお母さんのお子さんが年中組のときの日記です。なにげないことをササッと書いてあげるのだそうです。時には電車の中で立ったまま書くときもあるとか。子どもは、自分の興味関心をもったことが、あまり時間をおかないで絵日記になるので、楽しくなって、いろんなことに興味をもつようになったそうです。以下は、そのデフママの絵日記。やりとり含めて15分くらいで書くそうです。


例1は、登校途上でカラスが電柱に止まっていた。「フン落とされたらいやだなあ~」と子どもと会話したこと。よくある日常の一コマですね。~

~nikki1.pngのサムネール画像のサムネール画像
















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例2

子どもが雪にさわってみた。固かった。「石みたい」と言った。あんなにふわふわとして柔らかかったのに、次の日はカチンカチン。子どもの発見ですね。













例3 

ダンゴムシを見つけた。ころころしようと思ってつかまえたら、卵を持っていた。「卵をもっているね」と言ったら子どもが「お母さん虫なんだね」と言った。

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例4

毎日、地下鉄に乗ってお母さんと通学しています。ある日、地下鉄が外に出ている時には線路に砂利が敷いてあるのに、トンネルの中を走る時は、線路に砂利が敷いてないことを発見した。不思議だった。どうしてだろう?


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2.日記で品詞分解する方法


  日記を書くときに「が、を、に、で」などの助詞に○をつける方法はよく知られています。では、文の構造はどう示せばよいのでしょうか? これはあまり行われていませんが、前にも書いたように、子どもは文の構造(主述関係、修飾・被修飾関係など)がわからないために、切ってはいけないところで文を切って理解してしまうなどのことが起こります。

 きこえる子は、聴覚的情報を沢山取り入れて自然にこうした文のつながり方を理解していくのですが、きこえない子は、聴覚だけに頼るのではなく、視覚的にも理解できる方法をトータルに組み合わせてやったほうが効果的です。

その方法のひとつとして、ある聾学校幼稚部の保護者(とくに高度難聴児の親)は、江副文法の品詞カードに合わせて、文を品詞分解する方法をとりいれています。これは、子どもと対話して日記を書く時に、文の中の品詞の色分けをしていく方法です。ただ、その品詞が動詞だと名詞だのとはいちいち説明するわけではありません。子どもが尋ねたときは話すとしてもあらかじめ説明したりはしません。幼児期においてはそれでよいと思います。毎回、見慣れているあいだに、文の中にはいろんなことばがあり、それは色によって分けることができるらしいということがわかればよいわけです。その色がどんな意味をもっているのかは、小学生になってから勉強すればよいわけで、それが日本語文法のとりたて指導です。

 下の日記の写真は、ある年長児の保護者の日記です。とくに動詞や形容詞の使い方や表示の仕方をみてください。「わたげに なった たんぽぽ」と名詞を修飾する節は大きな黄色い四角で囲ってあり、ここまではひとまとまりの文節だよ、ということがよくわかります。


また、ここで使われている「なった」は、最初に出てくる「はるに なった ので」という「なった」とは、違う使い方であることもよくわかります。

さらに、最後のほうの「ちいさな わたげ」は形容詞+名詞で、この形容詞は後ろの名詞を修飾しているという同じ用法だということがわかります(大きな黄色い四角では囲ってありませんが)。

ほかにも、「それを とって(「て形」)、いきを ふきかけました(ふく+かけるの複合動詞)」とか、「ぶわーっと(副詞・擬態語)とんでいきました(「て形+補助動詞いく」)など、子どもに教えたいことばの使い方がちゃんと盛り込まれています。


こうした取り組みを年中とか年長の時期に1~2年やっていくと、子どもは、文のまとまりが自然にわかるようになり、読む速度も早くなってきます。また、保護者にとっての利点として、色分けをすることで、自分がどんな種類の品詞を使っているのかとか、接続詞はどうか、名詞修飾はどうか、副詞は・・・などと日本語を意識するようになるという点でもよいと、親御さん達は話していました。

難聴幼児をおもちの親御さん、ぜひ、やってみてはどうでしょうか? 


例1

上の日記の絵(スケッチブックの右に文が、左に絵が描かれている)。ちゃんと起承転結の4コマまんがになっている 


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例2

精米の仕組みがわかるように、絵が描かれています。こうしたいろいろなことを子どもに教え、知識を豊かにすることは、文の読解力を高める上で大切です。文は語彙や文法力だけでなく、幅広い知識があってこそ、その内容をよりよく理解できるからです。

~nikki6.jpgのサムネール画像
























3.幼児期に動詞の活用を教えるには?


 読者の方から、「幼児期にどうやって動詞の活用(語尾変化)を教えたらよいか?」という質問をいただきました。聴力は100dB以上とのことでした(人工内耳非装用)。
 たしかに、動詞の活用形はたくさんあって、聴力の厳しいお子さんにとって、なかなかその獲得は大変です。 軽中度難聴や人工内耳装用のお子さんなど、聴覚活用ができる子は、基本的な活用(例「食べる。食べた。食べない。食べなかった。食べたい。食べよう。食べられる。食べて~。・・・」)は日常会話の中で比較的よく身についていきますが、聴力の厳しい高度難聴のお子さんたちは、実際の生活場面・会話の中で使っていくだけでなく、文字も使って「目から学ぶ」ことも考えるのがよいと思います。 
そこで活用したいのが絵日記です。下の例1は、マスの中に一つだけ動詞を書くようになっています。例2は、「書き□□□」「書き始め□□」と動詞文末の「ました」「ます」を入れるようになっています。こうした、比較的簡単なレベルから始めるとよいと思います。

例1

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例2

動詞文末の「ます」「ました」を入れるようになっています。

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4.ふたたび、品詞分解式絵日記について


 これまで、いろいろな絵日記の書き方を紹介してきました。その書き方は本当に個性に満ちていて、決まった方法があるわけではなく、一つ一つがお子さんと親御さんとの共同作品そのものなんだと強く感じました。

 それらの中で、絵日記の中身ではなく、表示方法として、この方法はたしかに文の読みとりの力につながっているなと感じる方法があります。それが下の写真のような「品詞分解式絵日記」です。

 これは、江副文法で採用している「品詞カード」の枠組み、例えば、単語の名詞は黄色い四角、動詞は緑のベース型(四角の表示の人もいます)、形容詞は水色のベース型(同)に縁取りするだけのことです。

 では、それがなぜ文の読み=理解の力につながるのか?ということですが、これはまだ仮説に過ぎませんが、文の構造が感覚的にわかるようになるということです。例えば、私達は、文を読むときに、その文が漢字を使わないひらがなばかりの文であったとしたら、単語がどこで区切られているのか判別するのに時間を費やし、その内容を読みとるのに相当の負担を強いられます。そういう点で漢字は本当にありがたいものなのですが、小学校1年生の教科書では、まだ、ひらがながその多くを占めます。ひらがなばかりが切れ目なく続くと、小学1年生では、どこで単語が切れているのか区別ができなくなるので、分かち書きをするわけです。こうすることによって、単語の切れ目がわかり、文の構造がつかみやすくなります。しかし、分かち書きで単語の切れ目はわかっても、その品詞が何であるかまでは表示することはできません。

 そこで、下の絵日記のように文中の主な単語を色枠で囲います。全ての単語をやるのではなく、一般的には、名詞、時数詞、動詞、形容詞程度なのですが、この表示だけでも、日本語の文がどのような構造をもっているのかその特徴をだいたいあらわすことができます。

 例えば、①一つの文の最後(文末)は必ず一つで、句点(○)がつくこと、②その単語はたいていは動詞で、その終わり方は、かたちが違うこと(「食べよう」「食べた」「食べなかった」など。もちろん形容詞・名詞もありますが最後は活用する形)。③また、動詞は文の途中にも来て、その使い方は、「食べて」や「食べたので」など接続助詞を伴ったりするときもあるし、④名詞を修飾する形で使われるとき(「たくさん食べたチョコレート」など)もある、ということがいちいち文で説明しなくても(子どもに説明しても難しいでしょう)、みているうちに感覚的・視覚的にそのルールが「なんとなく」わかるようになるということです。

 では、それが本当に意味あるのか、ということですが、これはまだ客観的に立証できているわけではありませんが、こうした表示を絵日記の中で1年くらい継続した子どもの

 文法テスト(JCOSS日本語理解テスト)の成績が、前年よりも大幅にアップしているということが、検査をしてわかりました。もちろん、この方法だけが文法力アップの要因になっているのかはわかりません。ただ、私が検査者として子どもたちの検査を担当した印象として「問題文を自分ですらすらと読み、読み取りが早くなった」ということです。

 今後、この方法の有効性を検証していきたいと思っていますが、だめもとで(多分それが害になることはないと思うので)やってみてはどうでしょうか? というのが、私の提案です。因みに、これをやった保護者の感想をきくと、「ずっと継続していると読んで理解する力がはやくなったように感じた」「色分けすると、ああ、こんなことばを使っていないな、とことばの使い方が意識的になってよかった」「子どもは自分では使えないけど、読んで理解する上ではよかったと思う」などでした。


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5.日記って負担・・・はぁ~

「毎日、そんなに書くことないですよ~」。こんな保護者のことばを時々耳にします。
 この掲示板で日記のことを取り上げたら、同じような反応を何人かの方からいただきました。
そうですよね。何を書こうかとこっちも思い浮かばないこともあれば、子どもだってそんな気分になれないときだってありますよね。そんな時は、日記なんか書かないで、ほかに楽しいことをしてあそびましょう。
 外でボール投げ、縄跳び、ケンケンパ・・・、雨の日だったら家で折り紙、紙ひこーき、すごろく、トランプ、おやつ作り・・・なんだってありますよね。
 親が忙しいなら、一人でパズル、迷路、お絵かき、塗り絵・・・。こういう遊びも子どものいろんな力を育てるものです。
 遊びに熱中してひとしきり遊んで、なお時間があったら、今やった遊びを題材にして取り上げてみてはどうでしょう? 親御さんが自分で一緒にやったのなら、今、やったことについて会話もはずむでしょうが、お子さんが一人でやって親御さんが見ていなかったことなら、会話をどれだけ引き出せるかにかかってきます。
 それも難しそうなら「今日の給食はなんだったの?教えて」とか「給食のお料理、お母さんが当てるからね。それはニンジンが入っていますか?」とクイズ形式でやるとか、「今日は、○○先生はどんな絵本を読んでくれたの?ママも知りたいから教えて」とかきいてみましょう。
 それでも面倒くさそうなら、思いきって日記はやめて、日記帳に連想ゲームでもさいころゲームでも書いて遊んだらどうでしょう。時間は15分くらい。あっという間に過ぎる時間です。
 さて、日記に書く文ですが、これはお子さんの今の日本語の力の現状から、少しレベルアップさせたいところを考えて文を書いていくわけですが、一般的に言えば、年少さんなら絵を中心に、2~3語文を添える程度。
 年中さんなら、書きたいテーマについてもっと会話して話の中身を深めますが、ただ、文としてはあまり欲張って長くしないほうがよいと思います。
 そして年長に近づくにつれて書く文の数も増やしていきます。年長さんになったら、文も単文だけでなく、接続助詞や接続詞を使って複文にしたり、助詞や動詞の活用などにも気を配って書くようにします。また、部分的に子どもに書かせるのもよいと思います。
 こうした例を、ある聾学校の保護者さんたちの日記から、以下に紹介してみます。
例1は、年少の頃の絵日記。まだまだ手話での語りが中心の頃です。

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例2

年中の中頃の日記です。吹き出しなども入って、書く内容を増やしていきます。

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例3

年長の秋頃の日記。文も増えてきています。また、必要なところに子どもが文字を書き込むようになっています。このように少しずつ、子ども自身が書けるようにしていきます。

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┃難聴児支援教材研究会
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