全国の難聴児のための早期支援、聴覚障害教育の情報提供、教材などの紹介を発信します。

日記をとおして行なう文法指導3~「から」と「だから」の使い方

〇接続助詞「から」の使い方

   1.「この花は、きれいから好き」?

2.「この花は、かわいいだから好き」?

 

きこえない子どもたちは、理由を述べるときに、よく上のような間違いをします。両方共、最後が「~い」なので、理由を述べる時に使う接続助詞「から」の使い方が、どっちがどっちだったかわからなくなってしまうのです。前者「きれい」は、なにで名詞(国分法では形容動詞)です。なにで名詞は、名詞と同じように後ろに助動詞「です(だ)」の活用をつけて使います(きれい、きれいだった、きれいでない等)。ですから、「きれい+だ」 なにで名詞表.jpgに、助詞「から」がついて「きれいだ+から」が「から」の使い方として正しいのです。 

 

 →「この花は、きれいだから 好きです。」

 

因みに形容詞とよく間違う「きらい」「とくい」などもなにで名詞です(右表参照・保護者作成)。ですから「きらいだ+から」「とくいだ+から」になります。また、名詞もなにで名詞と同じように「です」をつけて使います。

「信号が赤だ(orです)+から、止まって下さい。」

「明日は休みです(or)から、遊びに行きましょう。」など。

 

それに対して、後者「かわいい」は形容詞です。形容詞にはそのまま「から」をつけて使います。すでに活用しているので名詞やなにで名詞のように改めて「だ・です」をつける必要がないのです。

形容詞の活用となにで名詞の活用.jpg→「かわいい+から 好き」 

「やさしい+から」「大きい+から」なども同じです。

 

また、動詞も同じように使います。動詞も活用する品詞なので「だ・です」をつける必要はありません。

「明日は休むから 遊びに行けるよ。」 「必ず返すから1000円貸して」

 

〇接続詞「だから」の使い方

 「から」と似たことばに接続詞「だから」があります。 「だから」は接続詞なので、その前に文が一つあるのが特徴です。前の文の内容(原因)について、「だから~だ」と、話し手の判断や意志などを述べるときに使います。

 では、なにで名詞につくと、「だから」はどうなるのでしょうか?

 

「この花は、きれいだ。だから、好きだ。」

「この花は、きれい(です)。だから、好き(です)。」などとなります。

 

形容詞では、どうでしょうか?

「この花は、かわいい。だから、好き。」

「この花は、かわいいです(×だ)。だから、好きです。」などとなります。

動詞も形容詞と同じです。

「明日は必ず行く(or行きます)。だから、待ってて。」

 

では、名詞につく場合はどうでしょう?

「信号が赤です(orだ)。だから、止まって下さい。」

「信号が赤。だから、止まってください。」(*「信号が赤だから・・」と紛らわしいですが、前に句点(〇)があるかどうかが違います)

このように文末に助動詞の「だ・です」などをつけて文を区切り、そのあとに「だから」と続けます。

 

〇問題

では、「から」「だから」をどうつなげるか、例文の(  )に「から」か「だから」を入れてみてください。

①「いや」・・なにで名詞(形容動詞)

  「勉強が いやだ(    )やめたい。」 

  「勉強が いやだ。(    )やめたい。」 

 ②難しい」・・形容詞

 「勉強が 難しい。(    )やめたい。」

  「勉強が 難しい(    )やめたい。」

 ③「真っ青」・・なにで名詞(形容動詞) 

  「顔が 真っ青だ(    ) 休もう。」

  「顔が 真っ青だ。(    )休もう。」

 

〇日記の中での「から」と「だから」の指導

さて、このような「から」と「だから」の指導を日記の中で行った例を紹介します。小学2年生の日記で、2回にわたって指導をしたものです。以下、下記添付ファイルを参照してください。

 日記での指導~「から」と「だから」の使い方.pdf

┃難聴児支援教材研究会
 代表 木島照夫

〒145‐0063
東京都大田区南千束2-10-14-505 木島方
TEL / FAX:03-6421-9735

mail:nanchosien@yahoo.co.jp