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0~1歳頃から楽しめる絵本(その1)

き こえない赤ちゃんも1歳近くなると、写真や絵を見て自分の経験を思い出すことができるようになります(象徴機能の発達)。また、この頃、ママ(大人)が指さしたものを見たり、自分が見つけたもの・関心のあるものをママに知らせたりなど、指さしを通して自分とものとママ(大人)で、経験を共有することができるようになります(共同注意・三項関係の成立)。このような時期が来ると、きこえない子も絵本を一緒に楽しむことができるようになります。

そこで、今日は、沢山ある赤ちゃん絵本の中から、0歳後半から楽しめる絵本で昔から定評のある絵本やきこえない子をもった親御さんが楽しく読み聞かせている絵本を、何回かに分けてとりあげて紹介してみたいと思います。ただ、これはとても大事なことなのですが、0歳からとか1歳からというのはひとつの目安であって、その年齢を過ぎると楽しめないとか読むべきじゃないなどということではありません。本当は絵本に年齢は関係ありません。

1歳で楽しめる絵本は、5歳になっても楽しめる絵本が多いです。絵本は使い方次第。絵本の世界をぜひ十分に楽しんでいただきたいと思います。

 

『いないいないばあ』(松谷みよ子、童心社)

 まず、最初に紹介するのは『いないいないばあ』赤ちゃんは「いないいないばあ」が大好きです。この本は、次々といろんな動物たちが登場して「いないいないばあ」をします。き いないいないばあ.jpgこえない子も、手話で「だ~れ?」とやりながら、「いないいない」「ばあ」「ちゅうちゅう、ねずみさんだ」など手話をしながら楽しむことができます。ぬいぐるみなどを持ってきて絵本の後ろから少し出しながら、「だれ?」とやりながら、いないいないばあをすると子どもも大いに楽しめます。

また、この種の絵本はほかにもあります。講談社の『いないいないばあ』(いもとようこ)シリーズ三部作などもあります。こちらも楽しい絵本です。

 

『あっぷっぷ』(中川ひろたか、ひかりのくに)

 「いないいないばあ」と同様、赤ちゃんは「にらめっこしましょ、あっぷっぷ」などの"顔あそび"も大好きです。17か月のきこえない子の事例を紹介します。 あっぷっぷ.jpg

 

17か月児】

あっぷっぷ絵本が大好きでとても喜んでページをめくり見ています。「あっぷっぷ」といえるようになり、みんなで「あっぷっぷ」遊びをしています。車のおもちゃ等を手で持ち「ブーブー」と言えるよう、「かいえなかった色々声を出すようになり、少しびっくりしています。「いないいないばあ」の「ばあ」も言えます

 

『じゃあじゃあびりびり』(松井のり子、偕成社)

この絵本は、犬、水、紙など身の回りのものとそこで使われる擬音語や擬声語を合わせて表現する楽しい絵本です。破いてもよいチラシなどを持ってきて一緒にビリビリするのもよいでしょう。 じゃあじゃあびりびり.jpg

 

『がたんごとん』(安西水丸、福音館)

 この絵本は真っ黒の汽車がやってきて、哺乳瓶やら果物やらを次々と載せていきます。

 7か月のきこえない赤ちゃんに、声と同時に身体を揺すり、リズムが伝わるよう拍子をとったり、声の抑揚も伝わりやすいようにしたりと考えています。繰り返し読んであげるなかで赤ちゃんもだんだん笑顔を見せてくれるようになっています。

 

07か月児】

夜のミルク時、絵本を読むのですが、その際ことばに合わせて膝で拍子をとるようにしてみました。「じゃあじゃあびりびり」「いない いないばあ あそび」「しましまぐるぐる」「がたんごとん」「もこもこもこなどリズムがある文章なので楽しそうで、よく笑顔を見せてくれるようになりました。声の抑揚もわざと大きくなるように心がけています。

 

『ぎゅうぎゅうぎゅう』(おおなり由子・文、はたこうしろう絵、講談社) ぎゅうぎゅうぎゅう.jpg

子どもが色々なものをぎゅっと抱きしめます。大好きなおかあさんと「ぎゅう」、ポカポカのふとんを「ぎゅう」など、赤ちゃんの身近なものがたくさん出てきます。子どもの好きなぬいぐるみ、おもちゃなどを持ってきて「ぎゅう」とするのも楽しいと思います。

 

 

 

『ノンタンおはよう』きよのさちこ、偕成社)

ノンタンのシリーズは、いくつかありますが、これは赤ちゃんシリーズの中の1冊です。

「おはよう」から「おやすみ」まで一日の流れに沿っていろんな友達との出会いがあって楽しい。ぶたさんとごっつんこするところも赤ちゃんが喜ぶ場面です。 のんたんおはよう.jpg

 以下に、10か月児の例を紹介します。ペープサートを作って、より楽しめる工夫をしています。

 

0歳10か月児】

ノンタンの絵本のペープサートを夫が作ってくれたので、今日はそれを使って絵本を読んでみた。ぶたさんとノンタンが「ごっつんこをしていたたた」のシーンがお気に入りで、何度が繰り返すとよく見て笑ってくれた。目で見てわかりやすい方法って大事だなと思った。

 

 絵本そのものを楽しむだけでなく、身の回りのものを上手に使って、赤ちゃんのイメージがさらに広がるように工夫している事例も紹介しました。絵本はきこえない赤ちゃんのみる力、人やものとかかわる力、想像する力、手話も日本語も含めてことばの力を伸ばします。ぜひ、絵本の読み聞かせを、生活の中に習慣化されることをおすすめします。