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難解語句をどう指導するか?

中学の先生から以下のような質問を受けましたので考えてみたいと思います。

 

授業中、国語の教科書に出てきた「新鮮」「個性的」「配慮」などの意味を生徒が分からなくて困った。辞書を引かせても辞書に書いてある意味が分からない。ただ写すだけならできるが、それに意味があるとも思えない。なにかよい方法はないだろうか? 

上のような名詞は事物の名称ではなく抽象名詞ですから、事物名詞と違って目に見ることができません。このような抽象名詞を辞書で調べても、その説明がたいてい抽象的なので調べてもわからないことが多いです。辞書を調べて書かれていることが理解できる認知・言語発達の段階の子どもは、いわゆる『9歳の壁』を超えており、それ以前の具体的な思考の段階の子どもには、具体的な使い方を示すことが必要です。例えば、以下のような例を手話や絵、動作などを使って示すことが必要になります。 

(例)「新鮮」・・・釣ったばかりの魚を刺身にして食べる場面をイメージして。              「この魚はとっても新鮮で、おいしいね。」  

「個性的」・・・昨日、美容院に行って髪形を変えてきた女性教師に対して。             「先生、その髪型、とっても個性的でいいですね。」

      「配慮」・・・以前、字幕のないアニメ映画を見た。全くわからなかった。             「字幕がないのは、聴覚障害者への配慮が足りないよね」


また、このような新しい語を学ぶときは、それに類することば(類義語)や反対語なども同時に調べることが、その語の意味や使い方などを知り、記憶しやすくすることに繋がります。(例)「新鮮」⇒類義語「フレッシュ」「とれたて」 

   「新」を使った語「新幹線」「新入生」などから意味を考える。

   「鮮」を使った語「鮮やか」などから、意味を考える。

   対義語「新」 ⇔「旧」「古」「故」を使った語を調べる。

難解語句の指導法.jpg       

そして、このようにして調べた語は、「ことばノート」を作って書いておくことです。

1ページに1語使うかもしれませんが、関連する情報を書き加えておくことが結果的に知識を増やし、新しい語を記憶しやすくことは確かです。手話がある語であれば手話の絵なども書いておくとよいと思います。

 

教科書が読めるためには、いろいろな力が必要とされます。語彙力は最も基本となることです。正しい語の意味・概念を知っており、その語が状況や文脈に応じて違和感なく使えることが必要です。そのためには、その語はどのような使い方をするのか、例文をいくつか生徒に作らせることがよいと思います。