呼応(陳述)の副詞
呼応(陳述)の副詞というのがあります。
ある副詞と呼応して、そのあとにくる動詞が話し手の態度や気持を表す決まった表現です。
例えば、「決して」とくるとあとの動詞は「~ない」となります。
小2国語「ヤマタノオロチ」(学校図書)では、一つの段落の中に、続けて3つ出てきます。以下の下線の部分です。( )は本文で省略されている所を補って入れてみた語です。
①「もし、みごと退治できたら、 ②(ぜひ)娘さんを 嫁にしたい」
③「(もし)、助かるなら、 ④(きっと)娘も 喜んで あなたの嫁になることでしょう」
①の用法は「仮定」、②は「願望」、③は「仮定」、④は「推量」の用法です。(*分類の仕方は研究者によって違います)
このような決まった言い方は、覚えておくと便利です。きこえる子は自然に耳から覚えていきますが、きこえない子は知らないことが多いので、出てきた機会に他の用法も含めて取り上げて整理しておくとよいと思います。例えば、以下のような言い方です。このような言い方を取り上げて、子どもと例文を作るとよいと思います。
1.「もしかすると、~かもしれない」(仮定)
(例)「もしかすると、遠足は 中止になるかもしれない。」
2.「まるで~みたい・よう」(仮定)
(例)「宝くじがあたったなんて、まるで夢みたいだ」
3.「どうか、~て下さい」(願望)
4.「たぶん~だろう」(推量)
(例)「たぶん、ほんとうだろう」
5.「決して~ない」(否定)
(例)「この本は決して安くはないですが、中身は面白いです。」