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文を品詞分類して、構造図に書きこむ手順

 文をわかりやすくするために品詞分類してそれを文の構造図に書き込む方法について、ある方から質問を受けました。 慣れるまでが難しいので、再度とりあげてみます。

絵本の中での一文から、例を挙げてみます。以下の文です。

 

「空き缶のはいった袋を持ったみきちゃんは言いました。」

 

主語となる名詞の前に修飾句があるので、子どもはついつい、「空き缶のはいった。袋を持った。みきちゃんは言いました。」と分けて読んでしまいます。どうすればよいでしょうか? 

空き缶をもった複文①.jpg

 

①まず、この文の述部(文の最後にある動詞など)を探します。これは「言いました。」ですね。右図①

 

②次に、述部に対する主部(語)を探します。「言いました」は、「(誰)が」+「言いました」となる自動詞ですから、基本文型Ⅰです。「だれが」にあたるのは、「みきちゃん」ですね。

「みきちゃんが(は) 言いました。」これが文の根幹すなわち必須成分にあたります。これを、構造図に書きます。右図②です。 空き缶をもった複文②.jpg

 

③「空き缶の入った袋」は「袋」にかかる大きな名詞ですから、大きな四角で囲みます。右図③

この大きな名詞である「空き缶の入った袋を」は、「持った」に繋がりますが、「持った」は、文の最後にくる述部ではこれません(述部にはすでに「言いました」があります。「持って」なら、動詞テ形なので助詞の位置に持ってこれます)。

 

④「空き缶の入った袋を持った」は「みきちゃん」につながる修飾句なので、この部分をさらに大きな名詞として囲みます。上図④

 

 

 次の文をやってみましょう。どのように なるでしょうか?

 

「お母さんは、お気に入りのかわいい靴二足を てきぱきと 急いで片づけた。」

急いで片づける複文.jpg

 

①まず、文の述部を探して構造図に書き込みます。⇒「片づけた。」

 

②動詞「片づける」は、「(なに)を」(目的語)が必要な他動詞。すなわち、「誰が 何を 片づける」となる基本文型2です。これを構造図に書きます。

 

「お母さんは 靴(二足)を 片づけました。」

これが文の骨格となる部分です。(基本文型2)

 

③あとの残りの成分は文を詳しくする部分。まず、「お気に入りの可愛い」は「靴」を修飾する句ですね。靴二足の前にもってきて、大きな名詞として括ります。

 

また、「てきぱきと」は、副詞+助詞「と」ですから、上図の下から2段目に書き、述部「片づけた」にちゃんとつながるかどうか確認します。「てきぱきと」→「片づけた」ですからOKですね。

 

「すばやく」(形容詞ク形)は、動詞テ形と同じように、助詞のところに少し突き出た感じで書きます。述部「片づけた」には、「すばやく」→「片づけた」とつながりますね。

 

以上で、完成です。

 

 最後にもう一つやってみましょう。これはぜひ自分でやってみてください。

 

「太郎は、お父さんにも見てもらえて、楽しそうに、早く 走った。」

 

基本の文型は、「太郎は 走った。」ですね。これをまず書き込みます。 

速く走る複文.jpg

「て形動詞」や「く形」や「くて形」の形容詞は、「~て」や「~く」「~くて」が助詞の位置に来て、最後の述部に繋がっていれば正しいです。

 また、「~そう」は、「なにで名詞構成語」と言い、「~な・に・で」が助詞の位置に来て、最後の述部に繋がっていればOKです。 

 

さあ、だいたいわかりましたでしょうか? まず、述部は最後に一つだけ。その述部から基本文型を考えて構造図にその必須成分の文を書きこむ、これがポイントですね。