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自動詞と他動詞の見分け方

「自動詞と他動詞の違いを、手話を使って理解することはできてきましたが、日本語の自動詞と他動詞はそれぞれ覚えていく以外に方法はないのでしょうか?」という質問を、聾学校の先生からいただきました。

 動詞には、自動詞と他動詞が沢山あり、多くは対になっています(例「集まるー集める」など)。そこになんらかのルールがあれば覚えやすいのですが、そのルールとはどういうものなのでしょうか? 

 日本語文法の本を開いてみると、以下の3つの基本的なルールがあると書かれています。

 

1.動詞の語尾が「~aru」となる語は全て自動詞である。

2.動詞の語尾が「~reru」となる語は全て自動詞である。

3.動詞の語尾が「~su」となる語は、全て他動詞である。

 

 この3つのルールをもとにして分類していくことになりますが、けっこう複雑です。全ての動詞をあらかじめ分類することは不可能ですから、区分を表にしておき、例をいくつか書き出しておいて、あとはその都度、出てきた動詞をその表に入れて増やしていくのが現実的なような気がします。ここでは、分類表を作成するときに、その区分の仕方をパターンにしてみたいと思います。

 

1.「~aru」(自動詞)

この自動詞が他動詞となる場合は「~eru」となる語と「~u」となる語に分かれます。

 

(1)「~aru」-「~eru」型

「集まるー集める、上がるー上げる、混ざるー混ぜる、閉まるー閉める」など。

 

(2) 「~aru」-「~u」型

「刺さるー刺す、挟まるー挟む、ふさがるーふさぐ」など。

 

 

2.「~reru」(自動詞)

この自動詞が他動詞となる場合は、「~su」となる語と「~ru」となる語と「~u」となる語の3つに分かれます。

 

(1)「~reru」―「~su」型

「隠れるー隠す、濡れるー濡らす、離れるー離す、汚れるー汚す」など。

 

(2) 「~reru」―「~ru」型

「割れるー割る、折れるー折る、切れるー切る」など。
【例外】入れる(他)⇒入る(自)

 

(3) 「~reru」―「~u」型

 「生まれるー生む」

 

 

3.「~su」(他動詞)

 この語と対となる自動詞は、「~ru」「~eru」「~u」「~iru」などの語に分かれます。

 

(1)「~ru」-「~su」型

「うつるーうつす、帰るー帰す、出るー出す、残るー残す、回るー回す」など。

 

(2)「~eru」-「~asu」 型

 「冷めるー冷ます、逃げるー逃がす、冷えるー冷やす、増えるー増やす」など。

 

(3)「~u」-「~asu」型

「動くー動かす、乾くー乾かす、飛ぶー飛ばす、泣くー泣かす」など。

 

(4)「~iru」―「~osu」型

 「起きるー起こす、落ちるー落とす、降りるー降ろす」など。

 

4.その他

(1)「~u」―「~eru」型

 「開くー開ける、育つー育てる、建つー建てる、つくーつける」など。

 

(2)「~eru」―「~u」型

 「聞こえるー聞く、焼けるー焼く、消えるー消す」など。

 

 以上になりますが、基本の3つのルールをまずしっかり理解しておくことが大事だと思います。 自動詞他動詞.jpg

 

 また、手話での自動詞・他動詞の表現方法は、自動詞は、そのものの状態を表現する時に使うSASSという手話文法と指さしを使います。右の絵の例で「ドアが開く」の場合は、ドアが開いていく様子をSASSであらわし、そのドアに指差しを加えます。

 

 他動詞の場合は、モノを扱う仕草であるHandleという文法と指差しを加えて使います。「ぼくがドアを開ける」であれば、ドアを開ける仕草と自分への指さしを入れます。

では、「積み荷が落ちる」と「積み荷を落とす」では、手話表現はどうなるでしょうか? これはぜひ考えてみてください。