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動詞活用グループの見分け方と指導方法

動詞の活用のグループを見分けるにはどうすればよいでしょう?という質問をいただきました。動詞の活用は確かに複雑です。しかしきこえる人はいちいち表にして規則を書きだして覚えたわけではなく、会話の中で自然に覚えたものです。ただ、きこえない子とくに聴力も厳しい子たちは「自然に」ということはなかなか難しく、効率的に学ぶには、活用表で学習し、例文を作りながら覚えていくという方法をとることになります。 動詞活用~国文法は複雑.jpg

では国文法でやったような活用表を作るのかというと、そうではありません。国文法の活用は非常に微に入り細にわたっているので、子どもの動詞活用の学習には使えません(右図参照)。

 そこで日本語教育では「~ない」という「ナイ形」で見分け方を教えます。

例えば「行く」は「行かない」、「要る」は「要らない」です。「ナイ形」の前が「か」や「ら」に変わる場合は1グループです。
 「教える」は「教えない」、「居る」は「居ない」です。このように「ナイ形」の前が変化しない場合は2グループです。 G日本語教育の動詞活用3.jpg

しかし、きこえない子は、この「ナイ形」を作ること自体が難しい子もいます。

そのような場合はどうすればよいでしょうか?

 

 そこで、次のようにします。

動詞のうち、基本形が「~る」以外の動詞は全て1Gです。
基本形が「~る」の動詞のうち「い段」と「え段」+「る」の動詞が2Gです。例えば「みる」「いる(居る)」「きる(着る)」「おきる(起きる)」「たべる」「かえる(変える)」・・・それ以外は1Gです。例えば「まわる」「くくる」「おこる(怒る)」

ところが「い段+る」「え段+る」で2Gかと思いきや、1Gという例外の動詞があります。
「きる(切る)」「いる(要る)」「はしる」「知る」「はいる(入る)」「かえる(帰る)」などです。(ほかにもあるかもしれません)
これは例外として扱い。活用表のどこかに書いておくとよいと思います。

 

 

◎動詞活用の指導法

動詞の活用は国文法では、5つに分けています。しかし、子どもに教える時にはこんなに細かくする必要はありません。日本語指導では3つに分けます。

  1グループ・・・国文法五段活用

  2グループ・・・国文法上一段活用、下一段活用

  3グループ・・・国文法か行変格活用、さ行変格活用

 

日本語指導では、動詞の活用部分は、右表の下のほうを見ていただければわか 1グループ活用(1).jpgるように、「ない形」とか「丁寧形」とか「仮定形」「命令形」・・・といったように実際に使われるときの使い方に即して分類しています。

さて、実際にこの活用の指導の仕方ですが、この3つのグループの中で、「食べる」「着る」といった2グループ動詞は活用は単純なのでここでは省略します。また、3グループ動詞の「来る」「する」は、特別な活用で、そのまま覚えるしかないのでここでは扱いません。

ここでは、1グループ動詞(以下1G)を例に指導方法について書いてみます。3Gは2つしかないので、残りの動詞は1Gか2Gのどちらかですね。

 

動詞が1Gか2Gかの見分け方は以下のようにします。

a.基本形が「~る」以外のウ段の動詞は全て1Gです(「洗う」「歩く」「飲む」)

 

b.基本形が「~る」の動詞のうち、「-iru」「-eru」になる動詞は2G、それ以外は1Gです(例えば「着る、起きる、食べる」は2Gです。「謝る」「作る」「掘る」などは1Gです。1Gは「-aru」「-uru」「-oru」になります。

 

 c.「-iru」「-eru」となる動詞のうちいくつか例外があり、それらは「切る、走る、知る、入る、帰る」などです。これらを見分けるには「~ない」の形にしたときに、「~らない」となります(「切らない」「走らない」・・)。1G動詞は全て「~らない」です。

 

 以上のことより「歩く」は、見分け方aで1Gであることがわかります。1G動詞は上表を使います。 1グループ(2).jpg

 

1.まず、この表の上のほうの欄に「あるく」と書きます。「く」はカ行なので、下の五十音表をみて、表の右の欄に縦に「か、き、く、け、こ」と書きます(右表)

 

2.表のそれぞれの欄に、それぞれの色の字と同じになるように、「あるか」「あるき」「あるく」・・と順に書いていきます。(左下表)

 

3.空欄(白色欄)のところは、右下の表を見ながら書きます。「あるく」の場合は、「~く」なので、「く」で終わる動詞は「~いて」になることから、「あるいて」に変わることがわかります。

 

1グループ活用(3).jpgのサムネール画像

  1グループ活用(4).jpg